2014youran-h
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17勇気塾産地直売所 まゆの郷 明治以降、生糸や絹織物生産は外貨獲得のための重要な輸出産業でした。国は、研究充実のために出先機関を各所に設置することにし、強力な誘致活動の結果、蚕業試験場福島支場新庄出張所が開設されることになりました。その後、半世紀以上にわたって日本の伝統産業である蚕糸業の一翼を担ってきたこの場所は、平成十二年三月をもってその任を終えて閉所されました。この跡地が現在の新庄市エコロジーガーデンです。 長い歴史を持つこの場所は、昭和初期からの建物群、サクラ・クワ・ケヤキなどの多くの樹木が残された、市民に深い愛着がある場所でした。そこで、試験場の歴史や景観を生かした、体験・交流機能を併せ持つ公園として整備することになりました。そして平成十四年九月、南側エリア約六ヘクタールを一般開放し、新庄市エコロジーガーデン「原蚕の杜」が開園。産地直売所「まゆの郷」などが設置されました。また、北側エリアには、平成二十二年、農業後継者らが実践的な園芸生産を学ぶ「勇気塾」も設置されました。 多くの方々から利用される施設となったエコロジーガーデンは、平成二十五年三月、国の登録有形文化財となり、さらなる保存活用が期待されることになりました。活用にあたって、新たに観光交流の拡大という視点も加えられ、手づくり市「キトキトマルシェ」が実施されています。レトロな建物と緑豊かなゆったりとした雰囲気の中で、販売する人と購入する人とがふれ合い、絆を深めながら、こだわって育てた農産物や手づくり雑貨、飲食物などを売っています。五月〜十一月の毎月第三日曜日に開催されており、さまざまな産業分野への波及も含め、当市の新たな魅力として期待されています。

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