2013koho05
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8■たばこの煙によるリスク たばこの煙には、ニコチンやタールなど、約二千種類もの有害物質が含まれており、そのうち約四十種類が発がん物質です。これらの有害物質を吸い込むと、次のようなさまざまな悪影響を及ぼします。①肺がんだけではなく、全身のがんのリスクが高くなる②動脈硬化が起こりやすくなり、心筋梗塞、狭心症や脳梗塞を発症しやすくなる③気道や肺を傷つけ、慢性気管支炎や慢※1性閉塞性肺疾患を発症しやすくなる④不眠、頭痛、血圧上昇、心拍数増加、肩や首のこり、食欲低下、持久力の低下を起こしやすくなる また、妊娠中の女性がたばこを吸うと、ニコチンや一酸化炭素の影響で赤ちゃんに十分な酸素が届かないため、流産や早産・死産・先天異常の危険性が高くなるほか、出生時の体重が二千五百グラム以下の低体重児が生まれる率が、吸わない場合の二倍になります。 たばこの煙には、こうしたさまざまな害を及ぼす可能性があるのです。■周囲の人の健康を脅かす 「受動喫煙」 自分が吸わなくても自分の意志とは関係なくたばこの煙を吸わされてしまう、「受動喫煙」の影響も大きいものです。 妊娠中の女性や乳児の近くでの喫煙は「乳※2幼児突然死症候群」発症の危険が高まります、また、子どもに与える影響として、中耳炎や気管支喘息、小児がん、身体発育や言語能力の低下、注意力の低下を引き起こしやすくなると言われています。 喫煙者が吸い込む「主流煙」よりも、たばこの先端から出る「副流煙」に含まれる有害物質のほうが多いことがわかっており、多くの人が利用する事業所や施設ではできるだけ防止対策をすることが法律で定められています。その一方で家庭に目を向けると、ベランダや戸外で親が喫煙している家の子どもの尿から、ニコチンの分解成分が検出されたり、夫が吸うたばこの本数が多いほど妻の肺がんでの死亡率が高いというデータもあります。前者は、親の肺に入った煙や衣服についたたばこの煙を子どもが吸ったことが原因と考えられますが、喫煙者が自らのたばこの煙から確実に周囲の人を守るのはとても難しいものなのです。 禁煙デー0036912151~1011~男女2.82.93.03.13.23.3喫煙本数(本)早産の頻度(%)[出生時の平均体重(kg)]非喫煙妊婦喫煙妊婦男女484950[出生時の平均身長(cm)]非喫煙妊婦喫煙妊婦■1日の喫煙量と早産の関係■妊娠中の喫煙と出生時の体格1.00.00.51.01.52.01.51日20本以上喫煙1日1~19本以上喫煙非喫煙1.9夫の喫煙状況妻の肺がん死亡(倍)率※妻は非喫煙者■夫の喫煙と肺がん死亡率0036912151~1011~男女2.82.93.03.13.23.3喫煙本数(本)早産の頻度(%)[出生時の平均体重(kg)]非喫煙妊婦喫煙妊婦男女484950[出生時の平均身長(cm)]非喫煙妊婦喫煙妊婦■1日の喫煙量と早産の関係■妊娠中の喫煙と出生時の体格1.00.00.51.01.52.01.51日20本以上喫煙1日1~19本以上喫煙非喫煙1.9夫の喫煙状況妻の肺がん死亡(倍)率※妻は非喫煙者■夫の喫煙と肺がん死亡率康影響を正しく理解しよう6は禁煙週間※1有毒ガスや微粒子の吸入、特に喫煙がきっかけで肺胞の破壊や気道炎症が起きる疾患。※2 主に一歳未満の健康に見える乳児が突然死亡する疾患㈶日本食生活協会「健康づくりのためのたばこ対策行動指針」より(平山 雄1990)

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