2013koho09
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新庄の言い伝え文字を見やすくしました本文にモリサワユニバーサルフォントを使用しています。佐さ吉きち爺じいに聞く新庄には、今でも多くの言い伝えが残っています。「言い伝え」は、日常の生活の中で綿々と伝えられてきた、先人の生活の知恵。今も残るさまざまな「言い伝え」を、季節の行事とともに佐吉爺が紹介します。文・伊藤佐吉さん(仁田山) 今年の新庄まつりは天候が悪いときもあり、関係者の皆さんも大変だったと思うが、五十三万人の人出で盛大に、にぎやかに終わった。 祭りが終わると秋空になる。九月は暦の上では長月。夜が長く、日は短くなる。一日は、台風が来たり、大正十二年には関東大震災もあった。夜にはどこからとなく虫の声が聞こえてくる。また、新庄はススキの穂が出るのが全国で一番早いそうだ。 今年の稲穂も黄金波打っていて、豊作のようだ。お彼岸が近づくと稲刈りとなるが、昔は一株一株手刈りであった。今は乗用コンバインでたばこを吸いながら、スリッパ履きで刈り取る時代だ。爺の時代は、刈った稲は杭掛けにしたものだが、今は、石油を燃やして乾燥させるから、どんな品種も美味くないのだ。七日は白露といって、朝水霜が降りるが、これで大根や白菜が良く育つ。また、旧暦の八月一日は、八さく朔ついたち日といって、月山(御おやま山)の戸閉(とたで)と古老たちが言っていた。峰も寒くなり、天候が悪いときは雨風になる季節だからだろう。 秋と言えば交通安全週間がある。爺の孫が小学五年生のとき、交通安全の標語を作っていたのを見て、爺も自分なりに歌を作った。平成二年ころのことで、山形新聞やNHKなどに送ったりもした。その数え歌を紹介する。〽一つとせ。日に日に増えゆく交通事故。一人一人が気をつけて。皆で規則を守りましょう。二つとせ。二人で車に乗るときは、おしゃべり、わき見せぬように皆で規則を守りましょう。三つとせ。右見て左見て確かめて。老人子どもが飛び出すぞ。皆で規則を守りましょう。四つとせ。夜は早めに帰りましょう。飲酒運転事故のもと。皆で規則を守りましょう。五つとせ。いつもお家を出るときに笑顔で出迎えいたしましょう。皆で規則を守りましょう。六つとせ。無理な追い越しやめましょう。前方不注意は事故のもと。皆で規則を守りましょう。七つとせ。何してそんなに急ぐのだ。一秒急いで事故のもと。皆で規則を守りましょう。八つとせ。やぼな運転やめましょう。見ていて他人が笑ってる。皆で規則を守りましょう。九つとせ。心を引き締め、ベルト締め、自分の体を守るため、皆で規則を守りましょう。十とせ。ともに互いに気を付けて、明るい町を作りましょう。皆で規則を守りましょう。皆で規則を守りましょう。 さて、市民のみなさん。爺の昔話は今回で終わります。長い間お粗末な文章をお読み下さいましてありがとうございました。〽祭り終え 孫と別れる 窓の顔昔からの訓え最終回其の十二「秋の交通安全」の巻平成25年9月9日号(No.669) ■編集・発行/新庄市 総務課 〒996–8501 新庄市沖の町10–37 TEL.0233–22–2111 ■制作・印刷/共栄印刷株式会社 14,000部発行広報09 3年にわたり、いろいろな話題を提供してくれた佐吉さん。しっかりした字でまとめられた原稿を、毎月遅れることなく出していただきました。このコーナーを楽しみにしていた方々も多いと思いますが、今月号をもって連載を終了します。ご愛読ありがとうございました。

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