2013koho09
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4■子どもを取り巻く環境の変化 最近、小学校から中学校への進学時に、大きな負担感を抱く子どもが増えています。子どもが成長する上で、これを乗り越えることは大人への階段の第一歩と言えるでしょう。しかし、子どもたちを取り巻く環境は一昔前とは大きく変わっているのも事実です。家族構成の変化や急激な人口減少により、子どもが人間関係づくりを学ぶ機会が減っています。さらには、親が仕事と子育てを両立するのが難しくなったり、大人が地域の子どもたちをみる余裕が失われるなど、皆さんも変化を感じることがあるのではないでしょうか。こうしたことから、昔の子どもは乗り越えられたことでも、今の子どもには乗り越えるのが難しい場面も出てきているのです。■当市の小中一貫教育の現状 昔も今も、小学校と中学校を通して、一歩一歩大人への階段を登らせ、自立した人間を育てていくことは変わりません。しかし、今の社会状況に合った教育を考える必要もあります。小中一貫教育には、小学校六年と中学校三年を連続させた九年間という視点の中で、両過程の間の急激な変化を緩和し、ゆっくり自立させていくという考えが込められています。いわば、現代の子どもたちの発達段階に合わせた教育にシフトしていこうとするものです。 五月号で紹介した、平成二十七年度開校の「萩野地区小中一貫教育校」は、さらに一歩踏み込み、小学四年で一つ目、中学一年で二つ目という発達の区切りを考えています。小学校六年と中学校三年というこれまでの発達の区切りから、四年‐三年‐二年という発達の区切りでカリキュラムなどを考えるもので、九年間で子どもを成長させるという考え方を、より具体化したものです。小中一貫教育を前提として一体的な施設整備を行っている同校ならではの取り組みといえます。なお、校舎が別となっているほかの小中学校でも、中学校区ごとに、それぞれの地域現状に合わせた、小中一貫教育が実践されています。 また中学校区ごとに進めているのは、学校と地域との結びつきを強化していくということです。子どもたちの健やかな成長には、小学校と中学校との連携はもちろん、学校と地域の協力も不可欠と考えられているからです。地域の協力を得ながら、その地域独特の教育を行っていくことで、子どもたちは地域の良さを認識でき、愛郷心も育つのではないでしょうか。■各中学校区での取り組み 七月十日㈬、小中一貫教育シンポジウムが、ゆめりあで開催されました。この中で、中学校区ごとに、これまでの小中一貫教育の実践の様子が報告され、各区とも、それぞれ無理のない範囲で一歩ずつ着実に歩を進めて現在に至っていることが確認されました。次ページで一部紹介します。■小中一貫教育推進協議会が発足します 学校同士の連携を進めると同時に、地域住民の方々に小中一貫教育について十分知っていただき、かつ地域の子どもたちを地域が支え、育てていくという意識を今以上に高めていただくことも重要です。 シンポジウムでは、このような考えを踏まえ、学校と地域住民による「新庄市小中一貫教育推進協議会」を今年度中に設置することが決まりました。地域や保護者の代表も組織に加わり、それぞれの立場から、自由に意見を出し合うことで、より効果的に小中一貫教育を進められると考えています。市全体の協議会のほか、各中学校区ごとの協議会も設置しますので、皆さま方のご協力をよろしくお願いいたします。◎学校教育課☎内線444~小中一貫教育が    めざすものとは~ゆっくりと、そして  しっかりと自立へ。特集生きる力、そして夢を

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