2013koho11
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6 「家業を継ぐのは悪くないと思っていた」と語る田宮さん。家族とともに80頭を越える乳牛を飼っています。搾乳は毎朝晩。朝は3時半に起床、作業は午前八時ころまで続きます。夕方も同じ作業を四時間。これが毎日続きますが、酪農ヘルパー制度を利用して、月1回は休み、お子さんたちと過ごすそうです。餌代が上がるのに牛乳の価格が上がらなかったり、牛乳の品質を維持できるよう管理に気を使うなど、経営には気を抜けませんが、良いものを消費者に届けられるよう頑張っています。 「今60頭いる搾乳牛を5年後には100頭に増やしたい。それに、所有している牛舎周辺の土地を利用して放牧などができれば。それを、通りかかった子どもにぜひ見てもらいたい。喜ぶと思うし、大人も癒されるのでは?」と今後の抱負を語ってくれました。 「稲作に加えていろいろなことをやったが、妻が会社勤めをやめたのを機会に、妻の実家で取り組んでいたニラを始めた。定期収入が魅力だし、家族皆で取り組むことで、家族の『和』も強まった」今では、ニラ以外のことにあまり時間を使えず大変ですが、クレームが無いよう、また除草剤の使用を極力控えるなど、品質にこだわっています。「先を読むのがとても難しい最近の農業情勢だが、農業が好きだから、今後も身の丈にあった農業を続けていきたい。今は家族経営なので、人を雇わないといけないが、売上400万円を目指して面積を増やしたい」と豊富を語ってくれました。ニラと言えば鍋や汁物を想像するかもしれませんが、今田さんのおススメは、「ネギのかわりにニラを使った「ニラチャーハン」や「ニラ納豆」。皆さんぜひお試しください。酪農◎田宮 徹さん (昭和)ニラ◎今田栄二さん (冷水沢) 沼沢さんの実家は昭和。婿に入った家も農家で、仕事は農業しか考えられなかったそうです。「自分の子牛を買ってくれた人が何年か後に、『あの牛良かったよ』と喜ばれると本当にうれしい」と魅力を語ります。施設や機械の整備など、資金面の苦労は大きく、補助事業も有効に活用しているとのお話。日ごろの作業内容を尋ねると、分娩や初乳などの言葉が、まるで人間の話のようで印象的でした。「発情や分娩の時期を推測するため、また体調把握のため、こまめに観察している。体調が悪化する前に回復できれば獣医にかかる必要もなくなる」。  農業の魅力を尋ねると「自分で考え、行動したことが結果につながること。また、ある程度時間の融通が利き、自分のペースで仕事できること」と答えてくれました。※和牛繁殖=肉用子牛を産ませ、子牛のうちに売却する。和牛繁殖◎沼沢正和さん (長坂)機械による搾乳の様子営農し、生活できることなどを目的に組織されています。市内には市北部を管轄するJA新庄もがみ(旧萩野、昭和農協と舟形町、最上町農協が合併した農協)と市南部を管轄するJA新庄市の二つの農協があり、それぞれ地域性を活かしながら事業を展開しています。 各農協は、農協の活動方針を「営農計画」として毎年の総会で決定し、その方針に基づいた活動を行います。農協も交えて策定されている前述の「新庄農業振興地域整備計画」をより具体的に地域性を反映させた活動を行うのです。。■営農計画の内容 両農協が今年六月に決定した営農計画では、主に次のような方針が示されています。 最も生産者が多い米に関しては、JAへの出荷を推進しながら、ブランド化を目指し、他産地との競争力を高めていくことにしています。  ネギやニラ、山菜、そして花などの園芸部門では、生産の拡大と新たな生産者の育成に力を入れます。 和牛(肉牛)の繁殖(子牛を産ませ

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