2014koho06
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り、新庄・最上の小学校・分校八校を訪問(1985年まで)。▪1981年原画制作を手がける、近代洋風建築シリーズ切手二十種類の発行が始まる(1984年まで)。市民文化会館大ホール緞帳の原画制作。▪1983年明治を主題とした学術・芸術に功績があったとして、第九回明治村賞を受賞。また、最上三十三観音の連作四十点を完成。▪1993年市の花アジサイを描く、「アジサイの街写生会」を指導(1999年まで)。▪1999年新庄市名誉市民の称号が贈られる。記念展「近岡善次郎画業展」を市民プラザで開催。▪2005年ふるさと歴史センターに名誉市民特別記念室が設けられ、常設展示が始まる。▪2007年六月二日、九十二歳で逝去。絵画百三十四点が朋子夫人、長男庸一氏より、市に寄贈される。▪2014年水彩画三十七点が、長女大久保省子氏より市に寄贈される。につながる内容で、幼いころに母を亡くした近岡画伯の愛情と身近な人に寄せる慈しみが色濃く表現されている精神性の深い作品(①)となっています。また、使用しているガラスは古い時代のものです。裏側から描くため仕上がり部分を先に手がけ、左右も逆にするなど、制作手順はとても複雑です。しかし、画伯自ら明治建築の古材を集めて額縁に仕立て、彫刻して彩色しているのを見ると、意外にワクワク楽しみながら一点一点を完成させていたのかもしれません。こうしたことに想いを馳せながら絵を鑑賞するのも楽しいものです。 新庄地方の農婦シリーズ十二点の水彩画(②)に見るように、近岡画伯の絵筆さばきの確かさは定評のあるところですが、対象となる人物や風景、建物などを、そのまま描くだけの画家ではありませんでした。 失われゆく明治時代の西洋建築を求めて、全国をスケッチし歩いた明治の西洋館シリーズの水彩画は千点にも及びますが、そのどれもが、建物と風景を画伯独特の視点と描き方でとらえています。 また市内の建物を描いた水彩画(③)では、柱や壁に直線が無く、屋根さえもが大きく曲がり、着彩も枠を飛び出していますが、目の前に迫ってくるスケール感と印象度は圧倒的なものがあります。画伯は、建物の前に立って感じ取ったそのままを絵にしただけなのかもしれませんが、対象から受け取る素直な印象や直観は、何かを表現するときの最も大切な要素と言われています。子どもたちに描く喜びを! 画伯は、子どもたちに創造の楽しさと夢を持たせようと、六十五年前、子どもを対象とした今も続く美術展覧会「最上学童展」を創設しました。そして、ずっと指導・審査を続け、描く喜びや物を作り上げる楽しさを、ふるさとの子どもたちに示し続けました。  画伯の、ふるさとや子どもたちへの想いを生誕百周年記念ZENJIRO展の会場でぜひ感じ取ってください。◎ふるさと歴史センター☎22¦2188新庄市市制施行65周年記念近岡善次郎生誕100周年記念展▪とき7月19日㈯〜8月18日㈪午前9時~午後4時30分▪ところふるさと歴史センター市民プラザ2階ギャラリー※いずれも火曜休館。7月上旬に無料観覧券付きのリーフレットを全戸配布します②新庄地方の農婦シリーズから水彩画「田植えの農婦 新庄萩野」③水彩画「鈴木久兵衛(馬喰町)」広報52014平成26年近岡善次郎画伯 生誕100年ふるさと、そして子どもたちへの想い名誉市民近岡善次郎画伯特集06

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