2014koho10
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■「6次産業化」をめぐる動き 「6次産業化」と聞くと、農家が加工・流通販売も手がける経営多角化の取り組みを連想することと思います。しかし今、農林漁業者と商工業者など、経営体の連携・融合による取り組みや地産地消などのさらなる推進など、幅広い取り組みを意味するようになりました。こうした「新連携」や「新ビジネス」が全国各地で広がっていますが、これには理由があります。 まず、関連する業種が連携し合うことで「産業横断的」な取り組みとなります。多くの業種が関わることで、地域全体の経済活性化に寄与する可能性が高まります。 また、地域固有の取り組みが生まれる可能性が高いことも理由の一つです。自然に大きく影響を受け、地域の固有性を最も色濃く反映する農林漁業。生産される物は、地域の歴史や風土に根差した、独特のものであると言えます。これらを活用することで製品やサービスのストーリー性を高め、競争力の高い唯一無二の商品を生み出すことができると期待されているのです。 県でも昨年、農林水産業を含む、地域内の食産業全体の振興をめざす「食産業王国やまがた」成長戦略を策定しました。農林漁業者や食品製造業者を中心に、観光・教育・医療福祉など「食産業」に関わる人や組織が連携を強め、農産加工品の製造・販売など「6次産業化」に取り組み、農林漁業者の所得向上に加え、さまざまな産業の振興、雇用の創出に結びつけようとするものです。■農業を取り巻く現状と課題 市内の農家では、基幹作物の水稲に加え、いわゆる転作地を活用した、畜産や花き・野菜・果樹生産などにも取り組んできました。しかし、主食用米の消費量低下や価格の低迷が続き、農業所得のさらなる減少が危惧されています。これからの農業には、収益性の高い農産物の産地化や付加価値を高める工夫、新たな販路の拡大などの戦略が求められています。 さらに、安心・安全な食材提供による信頼確保や、地産地消・食育などの推進による交流拡大を通して、消費者との結びつきを強める農林漁業の所得向上を目指してきた「6次産業化」の取り組み。それが今、「地域固有の食」の強みを生かす、産業横断的な取り組みに広がっています地域で取り組む     をめざして6次産業化6

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