2015koho03s
10/20

(左)山科昭雄さん(新庄市最上郡医師会会長)(右)庄司俊之さん(尾花沢市消防署救急救命士)■阿部コーディネーター 「私たちとお医者さんを守る最上の会」の意味は、「私たちを守ることは、実は地域のお医者さんを守ることだ」ということです。 救急医療患者の約8割が軽症であると言われますが、夜間、大勢の救急患者が県立新庄病院を受診すれば、医師は日中の勤務と当直とを休憩なしに行うことになります。そこで、「私たちにできることで、その負担を減らすことにつながれば」という思いで活動しています。 地域の中核病院である県立新庄病院がどうあればいいのかを、皆さんとともに考えていきたいと思っています。■山科昭雄さん  最上地域の健康度は、 平均寿命はほぼ全国水準にあるものの、健康寿命(※1)は男女ともに全国・県平均を下回っています。 がんや脳卒中の死亡率はいずれも平均に比べて高いほか、40歳以上の10人に1人が糖尿病で、食生活や運動習慣に気をつけないといけません。肥満者が多く、野菜や果物の摂取も少ないため、バランスの取れた食生活も必要です。こうした状況の中で、次の4つに気をつけ、健康を維持して欲しいと思います。まず、「日頃からの健康管理」。バランスの取れた食生活や適度な運動などで、積極的な健康づくりを行うことです。二つ目に、「毎年健康診断を受ける」こと。早期に生活習慣の歪みに気づき、修正することが肝要です。三つ目として、「かかりつけ医を持つ」こと。中核病院とかかりつけ医は役割分担をしています。最後に、「早めに受診すること」です。 新庄市の夜間休日診療所が開設して8年が経過します。365日休まずに診療し、毎年約4,400人の受診があります。このことが県立新庄病院の救急患者の減少、そして病院勤務の医師の負担軽減につながっていると思います。 夜間や休日は、ぜひ、県が開設する「♯8000(※2)」などの電話相談や、夜間休日診療所を活用してください。■庄司俊之さん 尾花沢市内には重症傷病者を収容できる医療機関が乏しく、9割以上は市外へ救急搬送します。そのうち2割が新庄市内の医療機関への搬送です。尾花沢新庄道路の開通で、搬送時間が約10分短縮できました。このことは、傷病者の苦痛軽減や早期回復に寄与します。尾花沢・大石田の住民にとって大変有益で、ありがたく感じています。ただ、県立新庄病院に尾花沢管轄の傷病者を搬送することは、最上阿部彰さん(私たちとお医者さんを守る最上の会) 「この最上の地で、いつまでも安心して医療が受けられ、住み続けることができる」この地に住まう多くの住民が、このように思い、同時に不安を抱えているのではないでしょうか。1月19日、最上開発協議会や自治体など、最上地域の28団体が主催、尾花沢市・大石田町と両議会の後援による「最上の地域医療を考える住民のつどい」が新庄市民プラザで開催されました。このつどいは、冒頭のテーマについてさまざまな立場から意見発表などを行ったものです。 パネルディスカッションでの主な発言を紹介しますので、皆さんも一緒に、改めて地域医療について考えてみませんか。10最上の地域医療を考える住民のつどい

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 10

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です