2015koho07s
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農業は、「食」に深く関わるだけでなく、自然災害被害の緩和や水の確保、日本らしい景観の維持など、多様な役割も担っています。所得や後継者などの課題を解決し、こうした役割を今後も担えるよう、取り組みが進んでいます。■農業を取り巻く情勢 国内の農業・農村は、農業従事者の高齢化や農地の荒廃などの課題を抱え、極めて厳しい状況にあります。しかしその一方で、農産物の海外への輸出や6次産業化のチャレンジ、大規模経営の出現、若者を中心とした「田園回帰」の気運といった、歓迎すべき新たな動きも広がっています。今後はいかにして、この「芽」を大きく育て、農業・農村の今後を切り拓き、農地・農業用水などの地域資源を確実に次の世代に継承するかが課題です。 本市では、まちづくり総合計画の基本目標に、「いきいきと働き、活力とにぎわいのあるまち」を掲げ、農業をその実現のための重要な基幹産業の一つと位置付けています。そして、やりがいのある農業を確立するための施策に取り組んでいます。■稲作経営安定化に向けて 本市農業の基幹作物である米については、消費量が下がっていることに加え、米価が下落して稲作農家の経営が圧迫されています。このため米価下落緊急対策資金を創設したり、米価下落時の唯一のセーフティーネットである「ナラシ対策」への加入促進、生産コスト低減に対する助成、水稲種子購入助成などを実施しています。今年はさらに、子育て支援米として子育て世帯に米の引換券を支給するなど、新庄産米を含む県産米の消費拡大に取り組んでいます。■人と農地の問題 農業のこれからを考えるうえでの大きな課題が、従事者・後継者確保の問題と農地の有効活用の問題です。農業の担い手として認定農業者の数は増えてはいるものの、その多くが高齢化しています。このため、新規就農者の育成や担い手への農地集積、集落営農の組織化、農業経営の法人化などが急務となっており、左のページのような取り組みを行っています。■地域のあり方を検討 「新庄市農業振興計画」では、本市の農業について、水稲を中心としながら、立地条件に応じ畜産や園芸などとの複合経営をさらに進めるべきとしています。その実現のためには、地域・集落内部で話し合い、将来の農地利用のあり方を相談していくことがとても重要であり、そのための情報提供や支援なども随時行っていきます。◎農林課農政企画室☎内線270※ナラシ対策…米価が下落した際に、標準的収入との差額の9割を国の交付金と農業者の積立金から補てんする制度です。※担い手…農業では、一定規模の農地を持つ集落営農や後述する認定農業者などをいいます。※認定農業者…農業者が自らの経営を改善するための計画を作り、その内容について市町村の審査・認定を受けた農業経営者や農業生産法人のことです。※人・農地プラン…持続可能な力強い農業を実現するためには、人と農地の問題を一体的に解決することが必要です。各集落・地域で話し合いを進めながら、その集落・地域が抱える人と農地の問題を解決できるよう、国が作成を支援しているのが「人・農地プラン(地域農業マスタープラン)」です。用・語・解・説農を守る8

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