2015koho08s
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で生計をたてている「プロ」はいませんよね。神輿渡御行列にしろ、山車にしろ、囃子にしろ、すべてボランティアだと思います。 そして、子どもの頃からまつりに参加し、徐々にステップアップしながら、地域のコミュニティに入っていく。これは全国でもあまり類を見ないとても素晴らしい文化だと思います。世代間コミュニケーションのツールとして、とても重要な役割が新庄まつりにはあるのだと感じています。大切なことはチャレンジすること。ーユネスコ世界無形文化遺産登録に向けてどうお考えですか 先ほど申し上げたとおり、新庄まつりは地域に根差した、そして全国に誇るべき文化です。この文化を守り伝えていくことは、新庄に生きる人たちにとって、とても重要なことだと感じています。 元々、凶作によって疲弊した領民を元気づけるために始まったお祭りが新庄まつりです。地方の疲弊が叫ばれる現代において、新庄の元気を世界に発信し、そして文化として継承していくことは、自分たち自身の自信にもつながるはずです。︱そのためにはどのようなことが必要だと感じていますか 「現状を維持していく」という考えでは、少子高齢化など時代が変わってきている中、文化を継承していくのは難しいと思います。 大切なことは、チャレンジしていくことではないでしょうか。変わらないものと変えるべきものを見極めていく必要があると思います。 そして、100万人の観光客を呼ぶことは目的ではなくて、結果だと思っています。この文化を次世代に繋げるべくチャレンジを続けていった結果、きっと多くの人にその魅力は伝わっていくのだと思っています。︱最後に、その次世代を担う子どもたちにメッセージをお願いします 私自身、人形師になりたくてずっと修行をし、結果、今のように四代目を襲名することができました。 途中で何度も諦めようと思ったこともありましたが、願い続ければ、きっと自分の夢はは叶うはずです。皆さんも色々な夢があると思いますが、叶えるためには諦めないことです。 そして、私は父を師匠とし、今までも親の背中を見て育ってきました。普通の家庭では、両親の働いている姿を見る機会は、なかなかないかもしれませんが、感謝の気持ちを大切にしていってほしいと思っています。◀◀彫り7広報二六〇年目の心技体08 顔や耳、など外側の見える部分が彫り終わると、かしらを両耳の前で半分に切る。その内側をくりぬき、眼球を取り付けた後、割ったものをもう一度あわせて接着する。(左が掘り作業の完成形) その後、同じ材料で、手と腕をつくり、人形の所作にあわせた手の表情をつくり、接着剤で腕と接合する。最後に彩色し髪の毛を接着して完成する。詳しくは、野川北山氏のホームページ(http://hokuzan-nogawa.com/)をご覧ください。

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