2015koho12s
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太陽光パネルとトタン屋根の落雪実験改良型パンタグラフが設置されている車両新庄雪氷環境実験所に聞く雪氷防災研究センター国立研究開発法人 防災科学技術研究所Shinjo Cryospheric Environment Laboratory , Snow and Ice Research Center National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention新庄にある防災科学技術研究所の雪氷防災研究センター。名前は聞いたことがあっても、どんな研究をしているのか知っている人は少ないのではないでしょうか。そして、数多ある日本の豪雪地帯の中で、なぜ新庄市にこの研究施設が設置されているのか、私たちの生活にどんな恩恵をもたらしているのか、そんな謎につつまれた研究施設について、雪氷環境実験室長の小杉理学博士に色々とお話しを伺いました。雪氷防災研究センターとは¦雪氷防災研究センターとはどういった研究施設なのですか小杉博士 テレビなどで、「防災科学技術研究所」という名前を聞いたことがあると思います。防災科学技術研究所は、地震や火山の観測・防災研究、水・土砂災害の防災研究や、耐震工学など、自然災害に関して6種類の研究を行っている国の研究施設です。その一つとして「雪氷防災」があり、ここ新庄では、雪の観測と予測、そして積雪によって引き起こされるさまざまな災害の研究などを行っています。¦日本ではここにだけある施設なのですか小杉博士 いいえ、新潟県の長岡市に雪氷防災研究センターの本体があり、新庄の研究所は昭和44年に設置されました。¦なぜ、長岡市と新庄市にこれらの研究施設が設置されたのですか小杉博士 どちらも日本有数の豪雪地帯だからですが、特に新庄が選定された理由としては、雪の質が特殊だということがあげられます。 新庄は東北のへそと呼ばれており、東北地方のちょうど中間地点にあるため、北陸以南の日本海側特有の「湿った雪」も降るし、マイナス10℃以下になることもあるため、北海道のようなさらさらの雪も降ります。そのため、幅広くさまざまな雪質について研究することができるため、ここに設置されました。研究内容の一例¦ここ新庄では主にどんな研究を行っているのですか小杉博士 先ほど申し上げたとおり、雪の観測や積雪による雪崩などの災害、吹雪による着雪被害などを研究しています。 皆さんの生活に直結する部分では、設立当初の昭和40〜50年代に、流雪溝と消雪道路の研究を行っており▲高壇にある雪氷防災研究センター新庄雪氷環境実験所

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