2016koho01
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株式会社森環境技術研究所 代表取締役 森  雅人さん7広報市長 その辺が貪欲になると、あの会社にうちのこの商品が供給できるのでは、というような交流が始まると思うのですが。森所長 何か困ったことを改善したいので、大学とこういう研究をしたいと思っている企業はたくさんあるはずなのに、地元企業の社長さん方は敷居が高く感じているようです。相談してみたら、こちらの能力が全然ついていけないのではないかと心配しているケースも多いのではないでしょうか。その結果、ものづくりがステップアップしないという現状があるように思います。大学の先生は非常にフランクで、逆に社会のニーズを探っていることも多いように思います。相談すると、「この研究だと○○大の○○先生だね」と話が進んだり、「うちでやらせてくれないか」と言われたりします。基礎研究から一歩進めて製品開発を考えるとき、ニーズ情報は喜ばれるものです。新庄には大学がないから特に敷居を高く感じてしまうのかもしれないですね。米沢では工学部OBなどによる米沢工業会、仙台では青葉工業会が組織されていて、いろんな人たちが参加し、交流を深めているようです。いまさらながら新庄に大学がないのが残念ですね。阿部社長 先日、高規格道路整備促進の大会がありましたが、これが全て整備されれば、湯沢・酒田だけでなく、山形も全て60分圏内となります。東西南北に交わる鉄道、縦横に走る高規格道路の起点が新庄で、海上流通の酒田港も近くにあるという、県内他地域に比べれば、交通の利便性はかなり高いと考えております。地域活性化のため、これを大いに活かすべきと思います。 特に、物流センターのような拠点があれば、他社と共同輸送しやすくなり、コスト軽減が見込めます。現在当社では、同じ中核工業団地の立地企業であるマスコエンジニアリングさんと同じ配送先へ共同で配送していますが、大変助かっています。方向さえ同じであれば、異業種でも連携できるかもしれません。渡辺社長 そうですね。複数の会社で共同輸送していければ効率化が図れますね。アメリカのシカゴなどのように、ハブ拠点(物流の中心拠点)になれるのではないでしょうか。森所長 当社では、最大400t/月くらいの発送物がありますが、それを全国各地に配送する必要があります。配送を1社に固定しているので、なかなか車が確保できないことがあり、荷物が大量に動く時期には、納期に間に合わないこともよくあるのです。担当者が配送の手配に四苦八苦し、半日くらいかかってしまう状況があります。市長 市内には複数の運送会社がありますが、運ぶ方は、「こことここが一緒になれば効率的」という情報を持っているのではないでしょうか。阿部社長 帰りの荷があるとさらにスムーズにいくと思います。渡辺社長 酒田新庄間などは、きっとあるでしょう。市長 1つの企業が相談に行くと構えてしまうのかもしれませんが、運送会社にはきっとデータがあることでしょうね。 そろそろお時間のようです。今日はお忙しい中ありがとうございました。今後も協力して、新庄の魅力を発信していきましょう。■株式会社森環境技術研究所新庄市小田島町7-36 平成12年8月に創業。東北大学との産学連携で泥土リサイクル技術「ボンテラン工法」を開発。今年11月のものづくり日本大賞経済産業大臣賞受賞のほか、数々の賞を受賞しています。①泥土の状態②ボンファイバーの投入撹拌④完成(路体盛土)③固化材の投入撹拌世界に羽ばたく  新庄のものづくり01 ボンテラン工法は、建築現場で発生した泥土に、古紙と固化材を混ぜて、その場で盛土材として再利用する画期的な新技術。東日本大震災の復旧工事にも数多く採用されています。「ボンテラン」とはフランス語で「良い土」という意味。

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