2016koho05
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6■ユネスコ無形文化遺産とは? ユネスコ無形文化遺産は、世界遺産と同様、ユネスコが決定しているもので、文化財の保護と継承を目的としています。 世界遺産は、1972年(昭和47年)のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」にもとづいて登録されます。遺跡や景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件で、有形の不動産が対象となっています。日本では昨年、「明治日本の産業革命遺産」が登録されましたが、姫路城や屋久島などあわせて19件が登録されています。 これに対して無形文化遺産は、慣習や儀式、技術、知識など、実体のないものが対象となります。2003年(平成15年)のユネスコ総会で採択された「無形文化遺産の保護に関する条約」では「口承による伝統及び表現、芸能、社会的慣習、儀式及び祭礼行事、自然及び万物に関する知識及び慣習、伝統工芸技術」が対象とされています。今年1月時点で世界163カ国がこの条約を締約し、336件が登録されています。 このうち日本では、2008年(平成20年)に、能楽、人形浄瑠璃文楽、歌舞伎が登録されたのを皮切りに、雅楽や和食、和紙など合計22件が登録されています。そして今年、「新庄まつりの山車行事」を含む曳山行事33件が一括して登録審査されます。ユネスコ無形文化遺産候補日本政府による「山・鉾・屋台行事」申請理由の要旨◎「山・鉾・屋台行事」は、地域社会の安泰や災厄防除を願い、地域の人々が一体となり執り行う、各地域の文化の粋をこらした華やかな飾り付けを特徴とする「山・鉾・屋台」の巡行を中心とした祭礼行事である。◎祭に迎える神霊の依り代であり、迎えた神をにぎやかし慰撫する造形物である「山・鉾・屋台」は、木工・金工・漆・染織といった伝統的な工芸技術により何世紀にもわたり維持され、地域の自然環境を損なわない材料の利用等の工夫や努力によって持続可能な方法で幾世にもわたり継承されてきた。◎「山・鉾・屋台」の巡行のほか、祭礼に当たり披露される芸能や口承に向けて、地域の人々は年間を通じて準備や練習に取り組んでおり、「山・鉾・屋台行事」は、各地域において世代を超えた多くの人々の間の対話と交流を促進し、コミュニティを結びつける重要な役割を果たしている。◎「山・鉾・屋台行事」のユネスコ無形文化遺産代表一覧表への記載は、コミュニティが参画した持続可能な方法での無形文化遺産の保護・継承の事例として、国際社会における無形文化遺産の保護の取組に大きく貢献するものである。 「新庄まつりの山車行事」は、重要無形民俗文化財に指定されている全国の曳山(ひきやま)行事とともに、一括して「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産への登録申請をしています。 その結果は、今年11月に開催される政府間委員会で決定します。この秋、新庄まつりが 世界に羽ばたきます▲昨年、台湾からの旅行者が新庄まつりに参加。国重要無形民俗文化財日本一の山車行列ユネスコ無形文化遺産候補国重要無形民俗文化財ユネスコ無形文化遺産候補日本一の山車行列ユネスコ無形文化遺産候補国重要無形民俗文化財日本一の山車行列

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