2016koho05
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75■ユネスコ無形文化遺産登録の流れ 登録までの流れは次のようになっています。①条約締結国からユネスコに申請(毎年3月)※毎年、各国1件の審査件数制限があります。②評価機関による審査(申請翌年10月頃)※政府間委員会(後述)の委員国から選出された6カ国の専門家で構成された評価機関が、申請案件について事前に審査を行い、政府間委員会に「記載(いわゆる登録)」、「情報照会」、「不記載」の勧告を行います。③政府間委員会で決定(申請翌年11月頃)※ユネスコ無形文化遺産保護条約の締約国から選出された24カ国で構成される政府間委員会が、年1回開催されています。評価機関の勧告を踏まえ、無形文化遺産保護条約代表一覧表への記載(いわゆる登録)について最終決定します。ユネスコ無形文化遺産登録■これまでの流れと今後の予定 2014年(平成26年)3月、文化庁は「山・鉾・屋台行事(上参照)」をユネスコ無形文化遺産へ提案することを決定し、関係省庁連絡会議(外務省、文化庁、農林水産省)の審議を経て、政府としてユネスコ事務局へ申請しました。しかし同年6月、翌年の審査案件が上限の50件を超えていることから、条約規定にもとづき、日本の案件審査は1年延期されることになり、2015年(平成27年)3月に「山・鉾・屋台行事」を再申請して現在に至っています。 今後は、ユネスコ無形文化遺産登録の流れに沿って審査が行われ、今年の10月頃に評価機関による審査結果勧告、そして11月28日から12月2日にエチオピアで開催される政府間委員会において登録が決定される見込みです。■決定後の動き ユネスコ無形文化遺産の登録により、新庄まつりは日本が世界に誇るまつりの一つとなり、インバウンドの動きがますます活発化するなど、地域経済への好影響、地域の活性化が期待されます。 その一方で、平成25年に策定された「新庄まつり百年の大計・第3期計画」では、社会の大きな変化を背景に、祭りを支える各町内若連や山車ひき手の減少や、山車の製作や運行に要する経費の恒常的な財政難といった、解決すべき大きな課題があることが明記されています。 ユネスコによる登録の意図は、前述の通り、文化財の保護と継承です。これを踏まえれば、世界が保存・継承すべきと認めた重要な文化をどう残していくべきか、課題をどう解決すべきかを具体的に考える、またとない機会です。 新庄まつりの未来について、今後大いに考えていきましょう。登録申請中の「山・鉾・屋台行事」一覧(33行事)●❸●❷●❶●❹青森県八戸市/八戸三社大祭の山車行事(写真④)秋田県仙北市/角館祭りのやま行事(写真①)秋田県秋田市/土崎神明社祭の曳山行事(写真②)秋田県鹿角市/花輪祭の屋台行事(写真③)山形県新庄市/新庄まつりの山車行事茨城県日立市/日立風流物栃木県那須烏山市/烏山の山あげ行事栃木県鹿沼市/鹿沼今宮神社祭の屋台行事埼玉県秩父市/秩父祭の屋台行事と神楽埼玉県川越市/川越氷川祭の山車行事千葉県香取市/佐原の山車行事富山県高岡市/高岡御車山祭の御車山行事富山県魚津市/魚津のタテモン行事富山県南砺市/城端新明宮祭の曳山行事石川県七尾市/青柏祭の曳山行事岐阜県高山市/高山祭の屋台行事岐阜県飛騨市/古川祭の起し太鼓・屋台行事岐阜県大垣市/大垣祭の山やま行事愛知県津島市・愛西市  /尾張津島天王祭の車だん楽じり舟ぶね行事愛知県知立市/知立の山車文楽とからくり愛知県犬山市/犬山祭の車山行事愛知県半田市/亀崎潮干祭の山車行事愛知県蟹江町/須成祭の車楽船行事と神葭流し三重県四日市市/鳥出神社の鯨船行事三重県伊賀市/上野天神祭のダンジリ行事三重県桑名市/桑名石取祭の祭車行事滋賀県長浜市/長浜曳山祭の曳山行事京都府京都市/京都祇園祭の山鉾行事福岡県福岡市/博多祇園山笠行事福岡県北九州市/戸畑祇園大山笠行事佐賀県唐津市/唐津くんちの曳山行事熊本県八代市/八代妙見祭の神幸行事大分県日田市/日田祇園の曳山行事

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