2016koho06
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6も行われています。 そして、TPP合意がどう影響してくるかも重要な点です。米については、新たにアメリカやオーストラリアに国別枠(SBS枠)を設定するものの、国別枠の輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れるとしており、県では、国産米への影響は少ないものの、業務用米を中心に価格の引き下げが懸念されると分析されています。牛肉は、段階的に関税を9%まで引き下げるものの、輸入急増に対応するセーフガードを設定するとしていますが、県では、枝肉価格の低下を懸念しています。乳製品では、脱脂粉乳の代替となるホエイやチーズの輸入増により、北海道の加工向け生乳が都府県に供給され、県産の飲用乳と競合する恐れがあると分析しています。■所得向上とやりがいのある農業を確立するキーワード これらを踏まえると、稲作以外の収益性が高い農産物による経営の多角化・複合化を今まで以上に推進し、農業産出額を安定・強固なものにしなければなりません。地域一体となった振興作物への転換、またそれを地域で盛り上げる地産地消の取り組みが必要となります。キーワードは「マーケットインの思想」。需要を見極めた作物選定が求められていることを踏まえ、市では次のように取り組みを進めています。①若手農業者を育てる 県の年齢階層別農業就業人口では、45~50代の農業者が特に減少しており、地域を支える世代の確保を急ぐ必要があります。就農に関する情報提供を適切に行い、就農を促進します。特に「青年就農給付金制度」の利用促進、市営営農塾「勇気塾」や「(仮称)担い手育成センター」などでの実践研修も充実します。②農業の会社を創る 農業機械の共同利用や共同作業による所得向上、集落の活性化につながる集落営農の組織化、Uターン就農などの受け皿となる農業法人を育成し、地域の活性化につなげます。研修会を通じて経営能力の向上や情報交換、事業アイデアの検討と実践などの機会を作っていきます。③産地を造る 「にら・ねぎ・アスパラガス」については、県内トップの生産量を誇る最上地域です。収益性の高い園芸作物と言われ、地の利に合った栽培方法が確立されてきたことから、より一層強い産地にしていきます。 また、冬期品目として山菜王国もがみの促成栽培「たらの芽・うるい・ふきのとう」があります。特にたらの芽栽培は全国的にも先進地として知られています。これらを有効に取り入れながら、一年を通して安定した計画的な農業経営を進めます。④売れる米を作る 人口減少などに伴い今後も需要減少が見込まれるため、主食用米については小売現場ではより美味しい米、安全な米など高付加価値が求められます。有機・特別栽培などによる契約栽培や直販の取り組みが増えており、食味コンクールに出展するなど、良食味米の取り組みを推進します。⑤大豆・そば 米の需要が落ち込む中、米に変わる土地利用型の作物として生産を推進しています。加工原材料として国内での需要があり、また収支バランスのとれた品目です。安定した品質と収量を確保するため、栽培管理や技術を共有するための研修機会を増やします。この地により適した品種や作柄の検討、排水対策を支援するとともに、なたねや、トウキなどの薬用植物の導入についても検討を進め、畑作物への転換を進めます。アスパラガス早坂 薫さんJA新庄もがみ北部アスパラガス生産組合 約10年前から栽培しており、2、3年前から規模を拡大しました。当初は本を読んで勉強したり、先進地である最上町や農協に指導を仰いで手探りで始めましたが、最近は地域でも仲間が増えてきたので、お互いに情報交換しています。アスパラガス栽培は、1度植えると約10年収穫できることと、軽く、においがない等作業労力が比較的軽いことが魅力です。若者からお年寄りまで作業できると思います。春先の収穫期は田植えと重なってしまうので大変ですが、細く長くやっていきたいと思います。

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