広報しんじょう 2016年9月9日号
12/20

12のは非常に難しいのです。 それに比べて新庄では、町内会の活動が盛んで敬服しています。ごみ出しの管理、河川清掃、町内の祭りの主催に加え、子どもやお年寄りの世話や見守り、助け合いといった機能も果たしている地域活動。それを担うのは、地域の住民であり、もちろん無報酬です。町内会がしっかり機能していない都市部では、こうした公共サービスはお金で買うことになります。お金で済まそう、というのが都会的暮らしです。どちらがいい悪いではなくて、お金を出すか、労力を提供するかの違いです。 ただし、収入が生涯安定してあるという保証は誰にもありません。いつ自分の身の上に不幸が降りかかってくるかもわかりません。町内会というのは、そういう不測の危機に対するセーフティーネットの役目を果たしてくれる、成果は見えづらいけれども合理的な互助システムなのです。 しかし、町内会に参加している方々は、そうした理屈以前に「大人の義務」と認識しているはずです。「幼い時に町内の祭りで大人たちが良い思い出を作ってくれた。その恩返しとして、今度は成長した自分が担う側に立って、次の世代のために我が身を削る」というような、恩返しの順送りによって成り立っているのが地域活動だと、私は思います。そしてそれを黙って実践している人のことを「大人」と呼ぶのだと思います。―次に協働事業に関わる人たちのための交流会(※2)についてお願いします。Y 新庄市内で、複数の「協働事業」があることを知る良い機会となりました。有意義な活動が多く、どれをとっても社会の中で必要不可欠な問題。全てに共通するテーマは「未来に繋がる活動」だということと思います。しかし、一人の人間ができる活動には限りがあるので、「できるひとができることをできるだけやる」の精神で、お互いに情報交換しながら高めて行けたらと思います。 キトキトマルシェ(※3)にいいイメージがあるのはわかりますが、それを支えているのはたくさんのボランティアスタッフと中心メンバー1人1人の心遣いです。その運営部分は、普段はなかなか表に出てきません。たくさんのチャレンジとリスクマネジメント、そして無償の奉仕があって成り立っているプロジェクトであることを忘れてはいけないと思います。その先にある「未来」を共有しながら、それぞれの活動が相乗効果を生み出すようになると、新庄・最上地域がもっと面白くなっていくと思いました。A キトキトマルシェの成功事例だけでなく、いろいろな方の話も伺い、どんな団体がどんな活動をしているかを詳しく知りたかったです。対外的なプレゼンテーションではなく、内向きの「交流会」だったようなので、なおさらそのような内容のほうが良かったのでは。W 何かひとつの事業を成功させるためには、餅は餅屋、ここから先は詳しい人がいるからその人に任せよう、となるのが一番良いはずなのに、協働とか連携とかいったものがなかなかうまくいか※1 区長と市長のまちづくり会議各地区の区長と市長が直接協議し、意見交換をすることによって地域の声を市政に取り入れ、よりよいまちづくりを目指すことを目的として実施しています。今年で27回目になり、7月25日から28日にかけて中学校区毎に開催しました。地域おこし協力隊まちづくりリポート

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 12

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です