2017koho06
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たときも、いたく感動していましたが、魅力的な文化財が身近にあるのは、外の人から見るとすごいことなのですね。我々が当たり前としている新庄の中にも、気づいていない魅力がたくさん眠っているのだということを改めて気づかされました。改善が必要な新庄の弱点齋藤 新庄まつりは、飢饉のときに住民を盛り上げようと行われた伝統ある立派な祭だと思います。しかし、飢饉に苦しんでいたときだからこそ、外貨を獲得する、要するに儲けを出すことを考えるという視点が必要だったように思います。新庄の人は、そういった貪欲さや、新しいことに挑戦する精神が少し不足しているような気がします。新庄にはこういったものが必要だなあと思うことがあれば、地域おこし協力隊の考えを聞かせてください。渡邉 農業体験などの事業をしているのですが、グリーンツーリズムなどの活動を複数の団体がそれぞれ独自に進めていて、同じことをあちこちでやっているのが気になります。失敗談や手法などの情報共有ができれば、それぞれの改善や発展につながるはずなのに、もったいないなあと感じます。吉野 自分がやっていることが街に影響しているという考えを持つ人が少ない気がします。周りにある課題を「そういうものだから」で済ませて、変えたいとか、変わろうという意識が薄いと思います。お年寄りから子どもまで立場に関わらず意見を述べる権利があるのに、「誰かが変えてくれるだろう」で、意見を言わないのはもったいないです。住んでいる人ありきの地域なので、当事者たちが一緒に動いてくれないと地域は変えられないと思います。齋藤 たしかに、そうです。「変えてくれる」のは地域おこし協力隊ではなく、地域に住む我々が「変えていく」必要があります。吉野 その「変えていく」の中に、我々地域おこし協力隊を混ぜてもらって、一緒に地域をおこして、楽しんでいきたいです。これから新庄でやりたいこと齋藤 どんな地域にも短所はあって、もちろん長所もあります。これからの新庄のために、地域おこし協力隊のみなさんは、どんな活動をしていきたいですか。高橋 新庄には良い部分がたくさんあると思うのですが、「みんなが知っている」という状況にはなっていないと感じます。私は新庄に戻ってくる前、東京でデザインや広告の仕事をしていました。そこで培った能力を活かし、新庄の良い岩本涼花さん高橋 諒さん渡邉悠樹さん吉野優美さん56特集 この地域をおこす

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