2017koho07
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新庄演劇研究会と松田甚次郎 新庄演劇研究会は、昭和26年に創立した団体で、今年65周年を迎えます。メンバーは19歳から78歳までと幅広い年齢層で構成されており、毎年秋に開催される新庄市芸術祭での定期公演を主な活動としています。また昨年は、その長年の活動が、山形県の文化振興に多大な影響を与えたとして、斎藤茂吉文化賞を受賞しています。 新庄演劇研究会と松田甚次郎の関わりは、平成12年に鳥越土地舞台で行われた劇(7頁参照)への参加協力から始まります。そして平成27年には、定期公演として、甚次郎の生涯を描いた「土に叫ぶ人 義農 松田甚次郎」を上演しました。 この公演は、地方劇団として異例の700人を動員し、平成27年度中に山形県内各地で開催された、130ものさまざまな分野の芸術活動が審査対象となった「第53回 山形県芸術祭」で大賞を受賞したほか、本舞台の舞台照明が平成27年度日本照明家協会賞で入賞するなど、多くの評価を得ました。 今年度、新庄演劇研究会の50回公演を記念し、その伝説の舞台が再演されることとなりました。今回は、これまでの経緯なども含め、2代目会長である菅原文徳さんにお話を伺いました。ここに息づく賢治の教え 「松田甚次郎は、この地の演劇の大先輩です。そして、この全国規模の人間が埋もれたままなのは本当に勿体ないと思っていました。 彼が実践した『演劇』という世界で、地元新庄の人々に、その生きざまを知ってもらえればと思っています。」 ここ新庄には、高校演劇と社会人劇団、子ども芸術学校など含め、5つの演劇団体が存在しています。 県内各地に目を向けても、これほど盛んに演劇が根付いているのは他に類を見ません。宮沢賢治の教え「農村劇をやれ」は、甚次郎を経て今もここ新庄に息づいているのです。生きることの「熱」を伝えたい 平成27年の公演に引き続き、主役である甚次郎役の松田直也さんに、その意気込みを聞きました。 「前回の公演のあと、多くの反響と再演の要望を頂きました。主役として、甚次郎の生涯を『演じる』のではなく、『生きる』こと、そして彼の悩み苦悩、喜びの中にある『熱』を伝えていければと思っています。 それと、若者の流出が地域の課題となっていますが、ここ新庄でもこんなに輝けるんだということを、若い世代にも知ってほしいのです。そのためにも、多くの評価を得た前回を超える舞台にしたいと思っています。」 鳥越で生まれ、同じ松田姓。甚次郎の生きざまをその身に宿して、再演の舞台に臨んで行くのだと語ってくれました。 甚次郎が没してから74年、今一度彼らの手によって、その生涯がよみがえります。2015(平成27年)2014(平成26年)●●ここに咲いた花 しんじょうの種と松田甚次郎117甚次郎のまちづくりをテーマにしたトークイベント開催甚次郎の生涯をまとめた冊子が完成演劇「土に叫ぶ人 義農 松田甚次郎」上演▲平成27年に上演した「土に叫ぶ 義農 松田甚次郎」の観客席の様子土に叫ぶ人 松田甚次郎~宮澤賢治を生きる~日時 9/24㈰ 14:00開演(13:30開場)場所 新庄市民文化会館大ホールチケット前売・当日 1,000円(高校生以下無料)取扱:市民文化会館、市民プラザ、主催・共催事務局◎詳しくは、新庄演劇研究会事務局・高山℡22-6701、新庄の種プロジェクト事務局・八鍬 ℡090-2607-3222へ。

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