2017koho10
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――地域医療の現状は? かつては、口腔健康における地域の状況は県内でも最下位に等しい状況でした。しかし今では状況が改善し、「かなり良い」状態になっていると思います。幼稚園での歯に関する指導が良くなったことや、保護者の関心や意識が向上したおかげです。歯に限った話ではないですが、小さい頃からしっかりケアすることは非常に大事なことです。 一方で、仕事が忙しくて歯のケアができない・歯医者に行けないなどの理由で、働き盛りの人達の口腔健康が悪いことがあります。歯周病菌など歯の病気を引き起こす菌は、歯の喪失だけでなく、全身の病気にも悪影響をおよぼすことがあるので、歯に気をつかってほしいです。――歯の健康を保つことは、全身の健康を保つことになると? はい。歯周病菌は糖尿病や心筋梗塞などを悪化させるという検証データがあります。また、歯がない人よりも、ある人の方が認知症になりにくいという統計もあります。将来を見据えるなら、歯を健康に保つことで、重い病気を未然に防ぎ、自身の医療費負担を減らすことをおすすめします。 なによりも、健康な歯があることで、美味しいものを美味しく食べられます。「食」は健康における基礎であり、もっとも大事な要素です。「食」を何歳になっても美味しく楽しむことで、心と体の両面から健康を保つことができます。――歯の健康を保つにはどうすれば良いでしょうか? 日頃のケアを心がけることも大事ですが、定期的に歯医者に行くなどして「かかりつけ歯科医」の関係を構築することが必要です。予防から治療まで口腔健康を保つために、歯科医師と二人三脚で取り組んでいくべきです。 また、歯の健康を保つための知識を獲得したり、疾病予防に深く関心を持ったりすることも必要です。歯科医師会では、6月の「お祭り歯っぴい」で歯科検診・歯科何でも相談・フッ素無料塗布・歯科に関わる本の展示などを行っています。口腔健康ひいては全身の健康寿命を伸ばすのに役立つイベントと位置付けています。こういったイベントに参加して、知識の獲得や、意識を向上させるのも重要だと思います。――地域医療の理想をどのように考えていますか? 新庄地区は他地域に比べてイベントや講演への参加率が少ない方です。一人一人の健康に関する意識を向上させるために、啓発活動を続けていきたいと思います。 個々人の健康志向が強く、知識獲得に意欲的な状態も理想ですが、市民が安心して暮らせる医療体制がしっかり整っていることが大事です。地域医療の今を語る   〜地域医療における歯科医師〜 今回は、新庄地区歯科医師会会長を務める伊藤好之氏にお話を伺いました。昭和63年に泉田地区に歯科医院を開業。以来30年間歯科医師として、歯に関する啓発活動なども行いながら、地域を支えています。歯に関する健康をふまえながら、歯科医師の目線で地域医療の現状を語ってもらいます。むし歯サミットin新庄 2017▪とき 11月18日㈯①第1部:13時~、②第2部:14時~▪ところ 市民プラザ大ホール▪内容 ①第1部:歯の長寿者表彰※80歳以上で、20本以上の方を表彰します。②第2部:健康長寿の秘訣満載の講演会▪参加費 無料詳しくは、健康課健康推進室℡内線515FOURTHOPINION新庄地区歯科医師会会長 伊藤好之 氏▲平成29年のお祭り歯っぴいの様子1510

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