2018koho01
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消防本部職員が語る 新庄の火消し事情  「地域性が育んだ     地域を守る強い力」消防署はどんな機関ですか? 火災現場での消火活動と人命救助や病人・怪我人などの救急活動を行います。火災現場では消防団と連携して、消火活動にあたります。何より優先するのは人命救助です。そして被害を最小限に喰い止めるために尽力します。 一番良いのは、火災そのものが起こらないことです。そのために火災を予防するための広報なども行っています。しかし、火災件数は減少することなく、例年横ばいのままです。火災報知器や消火器を設置するなどして、火災が起きるかも知れないことを日頃から意識してほしいです。火災現場での状況を聞いても良いですか? 通報が遅れ、火がかなり回っていることがあります。少しでも火が上がったら、落ち着いて119番をしてください。周りの方も「誰かが通報しただろう」と思わずに、火に気付いたら119番通報をお願いします。ただ、火災現場は非常に危険なので、近付かないように注意してください。 火の元に注意するのはもちろんですが、ステンレスや電気配線など燃えなさそうな物が燃えることがあります。電気も発火要因になるので、IHなど電化製品であっても、不具合が起きたらすぐに専門家に相談してください。この地域における課題などあれば教えてください。 この土地は雪以外は災害が少ないです。その分火災や自然災害に対する危機意識が薄い傾向にあります。火災や自然災害がいつ起きるかわからない以上、常に意識することが最大の予防になります。我々も広報はしていますが、家族や友人、近隣の人たちが互いに声を掛け合うのが最も有効です。 新庄の地域性を持ってすれば、この課題解決はそれほど難しくないと思います。その特色は消防団つまり新庄の火消したちにも現れています。新庄の火消しにはどのような特色があるのですか? 新庄市は人口3万6千人ほどに対し、1、200人近い消防団員がいます。人口比率でいえば、県内でも上位です。若連の人たちが消防団に所属していたりするので、昔からの地域ぐるみの活動の結果なのだと思います。歴史と伝統を受け継ぎ、人と人との絆があってこそです。 火災や遭難などの有事の際も、消防団の集まる人数は多いです。絆の強い地域性を育んできたからこそ、人を助けることに積極的になれるのでしょう。そういった新庄人に心強さを感じます。歴史の中で培われてきた新庄らしい文化と伝統をいつまでも守っていってもらいたいと思います。特集写真家松田高明 氏最上広域市町村圏事務組合消防本部 警防課課長補佐 田中 耕司 氏▲通報に対し的確に対応する消防本部の通信司令室地域を守る111

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