2018koho01
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特集地域を守る 新庄の火消しに注目し、世に出した二人の人物がいます。一人は小説として出版、一人は写真展を開きました。それぞれ作家と写真家という立場から、新庄の火消しに注目したのです。作家:今村翔吾氏は市外出身・市外在住、対して写真家:松田高明氏は、市内生まれ市内育ちです。共通点の少ない二人がほぼ同時期に新庄の火消しに注目したことは偶然ではなく、新庄の火消しには注目されるだけの「何か」があるのではないでしょうか。 小説は新庄藩の火消しを題材とし、「火ひくいどり喰鳥」という題名で出版され、啓文堂書店時代小説文庫大賞を受賞。羽州ぼろ鳶組シリーズとして、全国の書店にて現在三作品が販売されています。シリーズ累計発行部数は10万部に達し、いずれはテレビや映画などのメディアで扱われる可能性もあり、新庄藩が大きくクローズアップされることが期待されます。 写真展は2017年2月に東京都台東区で6日間に渡り開催。写真20点のほかにパネルが展示され、ギャラリートーク、新庄市の名産物の紹介・販売も行われました。写真展は大盛況で、新庄市のピーアールに大きく繋がりました。 火消しと呼ばれた男たち 現在、消防士・消防団員のことを英語でFファイアファイターireghterと表記することが多いですが、昔はFファイアーマンiremanと表記されていました。これは性差別的な表現を撤廃するための改善ですが、かつての火消しは圧倒的に男性の役割でした。そんな火消しという男たちを江戸時代まで遡り、熱く描いた作品が「小説:羽州ぼろ鳶組」であり、歴史的な地域性に基づいて開催されたのが「写真展:モガミの町火消し達」です。 火消しは長い歴史がありながら、あまり脚光を浴びることはありませんでした。それは「人と地域を守る」ということに当たり前のように取り組み、どの地域にも当たり前のように存在する機関だからだと思います。仕事でも、家庭でも、誰かを守るということは大変なことです。人は生きるうえで、多かれ少なかれ誰かを守って生きています。火消したちは、それに加えて地域の人々を守りながら日々を生きています。『人命優先』という言葉の元に、自身の身体と時間を削って、消防活動に取り組むかつて火消しと呼ばれた男たち。そんな彼らに、二人の人物が関心を持ったことで、今、注目が集まっています。 市外から新庄藩の火消しに着目した今村氏、市内で新庄を含めた最上の町火消しに着目した松田氏、現代の町火消しである消防団団長、そして縁のある女性消防隊隊長・消防本部職員から、新庄の火消し・消防について聞いていきたいと思います。▲作家:今村氏による小説「羽州ぼろ鳶組」特設コーナー(図書館の一角)▲写真家:松田氏による写真展「モガミの町火消し達」火災がおきたときの三原則その一 「すぐ通報」 火災に気付いたら、119番通報や近隣にいち早く知らせましょう。火が広がってしまう可能性があるので、小さな火でも人に知らせ、被害を最小限にとどめる必要があります。 初期消火に成功して、火が消えても、どこかに火種が残っているかもしれません。どんな些細な火災でも必ず消防に連絡しましょう。その二 「初期消火」 慌てずに初期消火を行いましょう。なるべく消火器(事前に常備しておくこと)を使います。濡れた毛布で火を覆うなど、状況に応じた消火方法を覚えておき、日頃から火災を意識しておくことも重要です。例えば、油火災に水をかけると、火災が広がることになります。正しい知識で初期消火に臨みましょう。その三 「避難」 人命を何より優先して避難しましょう。火災時の煙を吸うのは大変危険です。ハンカチなどで口を覆い、姿勢を低くして、煙を避けるように避難しましょう。避難時は、扉を閉めるなど、空気の流れが火に向かわないようにすることも重要です。51

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