2018koho01
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 平成29年11月18日ゆめりあにて、新庄藩の火消しを題材にした小説「火喰鳥」の著者:今村翔吾氏を招き、新庄市商工観光課長:渡辺安志、詩人:近江正人氏と共に座談会が開催されました。当市には縁もゆかりもなかった今村氏がなぜ新庄の火消しに着目し、小説を書くに至ったのか、今後どのような期待が持たれるのかを紹介していきます。 小説「羽州ぼろ鳶組」とは? 羽州は出羽国という地名の異称で、現在の山形県と秋田県のことです。羽州ぼろ鳶組はシリーズものの歴史・時代小説で、新庄藩の火消し(現在の消防団)が題材になっています。現時点では、火喰鳥・夜よなきがらす哭烏・九くもんりゅう紋龍の三作品が刊行されており、四作品目の出版がすでに決まっているとのこと。 なぜ新庄藩が題材なのか… 小学生の頃から歴史小説が好きで、火消しの話は前々から書きたいと思っていたと言う今村氏。戸沢家が統治していた新庄に興味があり、実際に訪れたときに新庄のある点に注目したと言います。 その昔、大凶作の際に住民を活気づけるために行われたという新庄まつり。普通なら食料にお金を回すべきところを祭に使ったという歴史。飢饉や災害などの悲観的状況から、人々が再起するときに本当に大切な、人を奮い立たせる「何か」を新庄まつりに見たと、今村氏は話します。 また、江戸が一番栄えていた時代の火消しの名簿に、通常三、四年務める方ほうがく角火ひけし消を、十数年も務めた新庄藩の名前があったそうです。これはかなり珍しかったことで、火消しとして新庄藩が余程の信頼を得ていた可能性を示します。 これら二つの歴史的背景を知ったことで、今村氏は新庄藩の火消しを小説にしようと思いました。 今後どのような期待が持たれるか 歴史小説とはいえ、内容の濃いシリーズものの物語なので、映画・ドラマ・舞台などさまざまなメディアで扱われることが期待できる作品です。その話題が座談会で出たときも、客席から期待の意味を込めて拍手が沸き上がりました。それに対し、同席していた編集長の坂口芳和氏から、映画やテレビ化を目指して頑張りたい旨の発言を頂きました。この「羽州ぼろ鳶組シリーズ」が、新庄市活性化につながることに期待が高まります。 『火ひ喰くい鳥どり』~羽州ぼろ鳶組~  新庄藩 国元座談会▲左から、詩人:近江正人、作家:今村翔吾、市商工観光課長:渡辺安志、祥伝社文庫編集長:坂口芳和▲刊行中の「羽州ぼろ鳶組」シリーズ6

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