2018koho01
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写真家として普段はどのような仕事をしているのですか? スタジオ撮影はもちろんですが、現地でのロケーション撮影なども行います。成人式や七五三などの節目にあたる記念写真が多いです。 最近は個人のお客様だけでなく、地域性が前面にでてくるような写真を撮る機会が増えました。今回はさまざまな人たちの協力を得て、消防に絞った写真展「モガミの町火消し達」を新庄と東京で開催することができました。火消しに注目したきっかけは何でしょう? 地域の写真を撮っているときに、たまたま消防小屋を目にしたのがきっかけでした。ポンプ車を入れるだけの小屋なのに、細かい装飾が施されていました。消防小屋の多くは昭和初期に建築されたもので、日本の技術で洋風建築を真似した「擬洋風建築」が面白いと感じたことも理由の一つです。 東日本大震災のときに、地元の消防団がいち早く対応していたことが印象に残っていて、消防団の地域に対する強い思いを形にしたいという気持ちが前々からあったと思います。撮影していく中で、見えてきた特徴などありますか? 新庄まつりと消防は深い関係にあり、その共通点は地元好きな人たちの積極的な活動だと思っています。現に、若連に入っている人は、消防団に入っていることが多いです。 消防小屋ごとに細かい装飾が施されているのは、新庄まつりの山車制作の精神があるからだと思います。 昭和初期からの木造建築が雪に負けないで今も残っているのは、消防団の人たちが、雪かきなど、小まめに手入れをしているからです。そういった活動からも、新庄まつりの伝統に似た、地域を次代に繋ぐ愛郷心を強く感じます。火消しを含んだ新庄人に今後望むことはありますか? 消防団には本当に地元好きが多いと思います。この輪がさらに広がって、地域がより活気づくようになればと願っています。私も写真家として、地域に貢献できたらと思っています。写真は現在を切り取った過去ですが、それを見るのは未来の人たちです。未来の子どもたちが「父ちゃん・じいちゃんが写ってる!」、「こんな面白い消防小屋が新庄にあったんだ!」など、写真をとおした発見や感動で、地域をもっと好きになってくれたら嬉しいです。新庄の町火消しを知る写真家が語る「消防小屋に写った   新庄の地域性」写真家松田 高明 氏▲「モガミの町火消し達」のうちの1枚8

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