20180209
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清水の湧き出るところをこの地域では「おすず」と呼ぶそうです。新庄は妻の故郷で、その実家は「おすず」でした。妻の実家の「おすず」を代々引き継いできたのは、ずっと女系だそうです。妻も、その母も祖母も、ここの水を飲んで育ちました。そして彼女たちは新庄の外からやってきた男たち、いわゆる「マスオさん」と家に入りました。婿養子ではないので、世代ごとに苗字を変えて、現在は4代目。私が5代目になるのかどうかはわかりませんが、どうやらこの「おすず」の水で育った女性たちは、この清水を守るよう因縁づけられているようです。彼女たちにそんなつもりはまったくないのですが、何世代も同じことが続くとそういう不思議な引力を感じます。私は「おすず」に呼ばれて新庄に来たのかもしれません。私は私の意思で新庄に来ましたが、意外とそんな因縁の中で転がされているだけかもしれません。新庄に来たのは「都会暮らしはもういいかな」という見切りからでした。都市と地方、どちらの生き方も一長一短ありますが、都会で暮らすよりも地方で生きる方が私には楽しそうに感じたのが一番の理由です。実際は、仕事、人間関係、地域活動など、移住してからの課題は千葉県で暮らしていたときよりも多いです。だからといって、移住当初の考え方が変わったことはありません。どうやって生きていくかを考えるだけのことです。協力隊として農業振興の取組をしてきました。与えられた課題は、新規就農者を増やすことですが、農業や行政の素人である私にできることは限られていました。考えた結果、今農業をやっている方々が、外から見てあこがれの対象になるくらいに輝く存在になれば、農業をやろうと思う若者が増えるだろうと思い、それをサポートする役に徹することにしました。そんな中で、知り合うことができた農家の幾人かと【明倫堂プロジェクト】という団体をつくり、一緒にさまざまな活動をしています。まもなく協力隊としての任期を終えますが、【明倫堂プロジェクト】の事業は来年度も継続します。もちろん、私も積極的に関わっていくつもりです。農家ではない人間が、農家側の立場で地域の農業にどう貢献できるか。これまでも、これからも、手探りで進めていくことになりますが、これからもどうぞよろしくお願いします。▲【明倫堂プロジェクト】では農業体験や交流イベントなどをしています。明倫堂Facebook「https://www.facebook.com/meirindo.project/」「おすず」によばれて渡わた邉なべ悠ゆう樹き36歳 千葉県流山市出身 農林課 H27.7委嘱地域おこし協力隊(在籍者)活動報告【岩いわもとすずか本涼花】H29.4委嘱23歳 千葉県袖ケ浦市出身社会教育課(ふるさと歴史センター)◦活動内容・民具資料名の英訳・11月~1月に開催した企画展示◦今後への意気込み 民具資料の英訳が完成に近づくように頑張りたいと思います。  具体的に決まっていないですが、歴史センターをより知ってもらえる活動ができたらと模索中です。【高たかはしりょう橋諒】H29.5委嘱36歳 山形県新庄市出身(東京都江東区からUターン)商工観光課 ◦活動内容・「かむてん」を用いた新庄市のピーアール・「ミニかむてん」や「かむてんグッズ」の企画、デザイン、クオリティ管理・「新庄まつりマスキングテープ」や「冨樫義博HUNTER×HUNTERネーム展」などのデザイン◦今後への意気込み 来年度はこの1年で手がけた地盤を元に「かむてん」を更に躍進させる年。 今まで以上に活躍する2018年度の「かむてん」にご期待ください!【菊きくちあゆみ池歩】H29.9委嘱47歳 神奈川県鎌倉市出身商工観光課/総合政策課◦活動内容・環境芸術祭記録集(最上環境芸術祭からkitokitoまで)監修◦今後への意気込み 固定概念、既成概念に捉われることなく活動していきます。よろしくお願いします。新庄市地域おこし協力隊活動報告会&トークセッション▪とき 3月10日㈯14時から▪ところ 新庄市民プラザ小ホール▪内容 各隊員の活動報告と隊員同士のトークセッション▪参加費 無料▪申込方法 事前にメール「shinjo.gosalon@gmail.com」またはFAX「03-6701-2483」にて◎総合政策課地域支援室℡内線217132

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