20180309
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最上地域の医療やその課題をどのように捉えていますか? 最上地域の人口は約7万5千人ほどですが、少子高齢化とともに人口は減少しつつあるという状況にあります。医療は、電気、ガス、水道などと同じで、地域の皆さんが生活を営んでいくうえでの基礎的なインフラです。こういった状況の中でもとにかく医療サービスを提供し続けるということが、地域を守っていく、また盛り立てていくためにも絶対に必要と考えています。しかし、医療サービスを提供する病院、診療所といった医療機関は数に限りがあります。それぞれがバラバラに医療サービスを提供しているのでは、いずれ立ち行かなくなります。重い病気の可能性がある患者さんを診療所から病院に紹介し、専門的な検査や手術などの医療を受けたら、また地域の診療所で診てもらうといった役割分担が大切になります。それから、医療に限らず、高齢の方などで、ご自宅で生活していくことが難しい場合には、介護や福祉の施設などに生活の場を移すといったことも考える必要があります。こういった役割分担をしながら、一人の患者さんを医療機関や介護・福祉の施設が切れ目なく支えていく、いわゆる地域包括ケアシステムを構築していくことが大切だと考えています。 地域医療における課題は、やはり医師不足です。私ども新庄病院でも、常勤の医師に加え、大学などから先生方を派遣していただいて医療を継続できているというのが実態です。実際、新庄病院では医師の定数は50人ですが、現在の常勤の医師数は45人になっています。新しい病院ができることで、どのような効果が期待されますか? 病院が新しくなることは、入院したり通院する患者さんに大きなメリットがあります。敷地や床面積が広くなることで、駐車台数が増え、病床も広くなり、より快適に過ごせるようになります。新病院は国道13号線沿いに建設する予定なので、交通アクセスも格段に良くなると思います。 医療機能の面では、救急医療、がん医療、心疾患・脳血管疾患、小児・周産期医療、総合診療、災害医療の「6つの柱」を山形県立新庄病院長八はちのへ戸 茂しげ美み 氏 昭和33年新庄市生まれ。昭和60年に弘前大学医学部を卒業。平成元年山形大学大学院修了。平成元年から県立新庄病院に消化器内科医師として勤務。平成25年に副院長就任。平成27年から第六代病院長を務める。施設山形県立新庄病院2023年度開設予定14

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