2018koho06
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No.03日本一の青 美しい海鼠色天保12年から続く 戸沢藩御用窯ものづくりの街しんじょう新庄東山焼新庄東山焼伝統工芸伝統工芸(西暦1841年)文字を見やすくしましたモリサワユニバーサルフォントを使用しています。東山の粘土は鉄分が多く含まれており、できあがる新庄東山焼は陶器としては非常に丈夫なものになります。この特性は食器に向いていて、機能性を追究した使い勝手の良い焼き物が多く存在します。新庄東山焼の工程と特性 新庄東山焼は、東山の地中1〜5mから掘り起こした粘土を使用します。不純物を除き、土を練り、形成し、2週間〜1カ月ほど乾燥。800度で数日素焼きし、釉うわぐすり薬をかけ、1200度で本焼き(焼成)し、数日後に取り出して完成。1つの東山焼が完成するまでに1カ月以上の期間を費やします。 焼き物の表面にツヤツヤしたものが多いですが、これは釉薬に含まれる長石・硅石・木の灰などにガラスの性質があるためです。また、釉薬は混ぜる鉱石の種類によって、さまざまな色の東山焼が仕上がります。青色(海なまこ鼠色)はコバルト鉱石を主としており、黒・赤・茶色は酸化鉄、緑色は酸化銅と藁わらの灰、白色はチタン(または藁の灰)を主とした釉薬によって色が決まってきます。色は、使う木の灰でも変化が生じます。桜の木は地中の銅を吸い上げる性質があるため、桜の木の灰を使うとピンク色がかかります。新庄東山焼では、基本的には安定感のある松の灰を使っています。焼成する窯の種類でも違いがあり、電気窯ならば温度が一定で色が均一になり、火の窯ならば色味が複雑になり、薪の窯ならば色に深みがでてきます。同じ釉薬でも全く違う焼き物に仕上がるそうです。 自しぜんゆう然釉と呼ばれる釉薬を使っていない東山焼もあり、温度や火の流れを長年の経験で制御し、独特の模様を浮かび上がらせた味わい深い作品になります。 170年以上も続く伝統の中で脈々と受け継がれてきた知識・経験があって初めて、新庄東山焼は美しい出来栄えに仕上がるのです。新庄東山焼 六代 涌井弥瓶平成30年6月11日号(No.726) ■編集・発行/新庄市 総合政策課 〒996–8501 新庄市沖の町10–37 TEL.0233–22–2111 ■制作・印刷/共栄印刷株式会社 13,900部発行46

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