2018koho06
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佐藤昭彦 氏株式会社佐藤運送 代表取締役 ニラなどの農産物を含む生鮮食品を主体に輸送。 地域貢献の一環として、首都圏に向け、新庄まつりのラッピング(原寸大山車の写真)が施されたトラックを運行しています。大場宗一 氏株式会社大場惣吉商店 代表取締役 創業は明治44年。企業としての設立は平成7年。  信頼できる生産者と協力して、舟形の清流の水で育てられたこだわりの美味い米の、集荷・販売を行なっています。 佐藤孝和(以下佐藤孝):私たちは、トマトやブロッコリーなど日持ちの悪い青果品を生産出荷しています。高速道路ネットワークの整備が進むことで、安心で品質の良い商品をより早く消費者のみなさんに提供できることになると思います。大場宗一(以下大場):主に米の流通がメインとなってくるのですが、その売上の5%近くを物流費が占めています。見えない部分での企業努力でコスト削減することも含め、道路が整備されることで、物流に係るコストの削減につながるのではないかと思います。 また、高規格道路の整備により、モノも動くと考えられます。各業種が協力することで山形の農産物をうまく流通に乗せられるのではと思います。――道路が広がることで、最上地域振興にどのように繋がると思いますか?大場:舟形町は最上地域の一番南に位置しており、私自身、秋田県などの北の地域の距離感よりも、南の地域の距離感のほうが近く感じていました。今後北の方に道路が整備されていくということで、北の方にも目を向けていくきっかけになると思います。 神社仏閣や伝統、文化などの観光に行く方が多いのではないかと感じます。そういった伝統・文化などはこの最上地域にもあると思うので、人の動きといった面でも、南北に道路が繋がれば交流人口の増加に繋がるのかと思います。佐藤孝:及位地区は秋田県との県境にあります。道路が整備されることで新庄方面、秋田方面で交通の便が良くなり、救命・医療の面、農業だけではなく林業や製造業などさまざまな事業にも効果的であると思います。そういったことからも道路が早くつながってほしいです。 長倉:この地域の基幹産業はやっぱり農業。農作物がたくさん動けば、地域の振興に直結すると思います。道路がつながることで、物流費が抑えられ、利益が上がり雇用が増加するといったような好循環が、当社を含めた地域全体で起きれば嬉しいことです。コストを抑えられた分、販売価格が下がって、物流もはけるようになればより理想的です。  当社は4月の約1カ月間以外、ほとんど通年で生産物を出荷しています。冬期間は「かまくらやさい」の出荷がメイン。一度収穫したものを貯蔵し、雪の下から掘り出すという作業が必要であり、倍の人件費がかかってしまう商品です。ある程度の単価で販売しなければならず、多くは関東方面へ出荷しています。物流面でコストを抑えることができれば、道の駅など近場での販売も可能となります。先程お話しした青森の農地も「かまくらやさい」を生産。山形のみならず東北のモノを運ぶことで関東に売り込みやすくなると思います。佐藤昭:東北中央自動車道は、山形県を縦断する長い道路になります。休憩をとって安全な運転をする意味でも、最上地域の物産振興の意味でも、最上区間に道の駅などがあるパーキングエリアを設置してほしいです。  佐藤運送では、新庄まつりのラッピングトラックを6台運行していて、関東圏に住む新庄市出身の方に喜んでもらっています。今後も運送業の中でのピーアールなど、地域貢献に寄与できればと思います。 道路の利便性が高くなることや、目的地までにかかる時間が短くなることは、震災時の被災地への物資輸送などの災害支援時にも有用です。道路が繋がることは、平時の生活を豊かにするだけではなく、非常時の対応を迅速にし、人々の安心感を生み出せるものだと思います。東北中央自動車道だけではなく、多くの道路が繋がることで、人々の生活がより安全で豊かなものになっていくことを期待しています。96新庄市shinjo city舟形町funagata town特集 東北中央自動車道TOHOKU-CHUO EXPWY

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