2018koho07
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防災力は地域力〜災害から地域を守る〜地域防災 本市において、昭和49年8月1日の水害以降、大規模な災害の発生記録は残っていません。また、政府の地震調査研究推進本部の調査によると、本市および最上地域が直接震源となった明確な地震の記録は残ってはいないとのこと。しかし、新庄盆地の東部および西部に断層があり、ずれにより大きな地震が発生する確率が高いという報告もあります。これまで幸いにも大きな災害が少なかった本市ではありますが、今後もその傾向が続くといった保障はありません。そこで、全国的にも各地域で組織されている「自主防災組織」について、お話を伺い、今後の対応について考えてみます。災害時、住民がすべきことはなんですか? 自分の身は自分で守る(自助)ことと、普段から顔をあわせている地域や近隣の人々が集まることによって、お互いに防災活動に取り組むこと(共助)が必要となります。大規模な災害が発生したとき、被害の拡大を防ぐための国や県、市の対応(公助)では限界があります。そこで、自助・共助・公助が連携し合うことで、早期に実効性のある対策を講じることが可能となり、被害の軽減を図ることができます。大戸氏 災害が発生すると、行政などの防災関係機関は住民の命を守るためにいち早く活動を開始し、必要な対策を講じます。しかし、被害規模が大きいほど、交通や通信が混乱し、救助人員の不足が生じ、全地域に手が回らなくなる可能性があります。田口氏 大戸課長のお話にもありましたが、消防や市、警察などの行政組織は、あくまでも平時を想定した人員規模になっており、多くの人員を必要とする大規模災害が発生した際に絶対的に人員が不足します。そのため、災害発生直後は、地域住民の救出・救護を地域住民自らが行う必要が出てくると予想されます。自主防災組織はどのような組織で、どんな役割を担いますか。 平成7年に発生した阪神淡路大震災での教訓を生かして結成された組織です。災害時、瓦礫の下から救出された人のうち約9割が家族や近所の住民の助けによるものだったという調査報告がありました。また、震源地に近く全半壊の建物が8割と甚大な被害を受けたにも関わらず、5時46分に地震が発生してから、15時過ぎには全員の安否確認が終了した地域もあるとのことです。これは住民が普段から声がけを行うなどして、互いの生活状況を把握していたからこそできたことです。そこから得た教訓により、自主防災組織が全国的に広まりました。大戸氏 阪神淡路大震災のとき、「隣の人とあいさつしていることが、大きな防災になりました」という言葉を聞き隣近所でお互いに声を掛け合える地域づくりが大事であることを、確信しました。災害時には、安否確認などにより救助や避難が必要な人数、被害状況などを集約し、市や消防機関へ情報提供することが、被害を最小限に食い止める唯一の方法であることも知っていただきたいと思います。田口氏 大戸氏の方法を実現するた最上広域市町村圏事務組合消防本部予防課長消防指令 大戸正樹氏地域防災14

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