2018koho8
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No.05一子相伝の人形師受け継がれるまつりの技ものづくりの街しんじょう野川北山野川北山のがわほくざん野川家四代目野川家四代目文字を見やすくしましたモリサワユニバーサルフォントを使用しています。山車の人形は、一つ一つに違った化粧が施されており、姫と町娘には気品の差があったり、作品の時代によっても異なったりします。それらの違いを探しながら山車を眺めるのも新庄まつりの楽しみ方の一つです。野川家130年の伝統と技 野川家は四代にわたり文楽人形をはじめ、劇人形、能面、人形制作をしている人形師の家系です。「新庄まつり」の山車人形制作を依頼されてからは、100年以上にわたって全ての山車人形を手がけています。 山車人形の素材は渋を抜いて乾燥させた桐の原木です。人形の頭には直径30cm以上の大きなものを使用します。最初は、木取り(大まかな寸法を取って、顔と首の割合を決める作業)を行い、チョンナという手斧で粗削り(目・鼻・口などの形をある程度削って決める作業)をします。 そして、鑿のみで彫りの作業に入り、目・鼻・口・耳などの造形を整えていきます。外側の見える部分を彫り終えたら、両耳の前で半分に割り、内側をくり抜いてガラス質の眼球を取り付けてから接着して元の形に戻します。 ハマグリなどの貝殻を粉末状にした胡ごふん粉と、動物の骨や皮からゼラチン質を抽出した膠にかわをお湯で溶かしたものを混ぜて着色します。北山氏の人形を彩色する様は、着色というよりも「化粧」に近く、時代や人物像、物語の内容によって全く違う表情に仕上がります。 最後に、人形の頭に人毛を取り付けます。時代や物語の人物を再現するために、とかしたり結ったりして髪型を整えるのは重要で、人毛でないと難しいそうです。 同様に手と足も制作し、露出しない部分は角材や藁わらで形作ります。そこに、頭・手・足・衣服をあわせて人形の完成です。 「喜怒哀楽をより明確に表現した人形を作り、新庄まつりの技術や伝統を、作品を通して次世代の担い手たちに伝えていきたい」と北山氏は語ってくれました。野川家二代目(初代陽山作)野川家三代目(二代目陽山作)野川家四代目(二代目北山作)野川家四代目野川北山(二代目北山)平成30年8月9日号(No.728) ■編集・発行/新庄市 総合政策課 〒996–8501 新庄市沖の町10–37 TEL.0233–22–2111 ■制作・印刷/共栄印刷株式会社 13,900部発行48

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