2018koho8
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78特集 新庄まつり 受け継がれる心意気花作りを始めたのは平成17年。当時21あった町内のうち、13町内の山やたい車の花を作っていました。雨による色落ちを防ぐために塗料の種類を吟味したり、町内ごとに異なる色の濃淡を出すために工夫したり、品質の向上に努めてきたそうです。そして現在では、全ての町内の花を作っています。昨年は桜を約35,000個、松を約4,500個、牡丹を約500個つくりましたが、平成25年来、年々受注数が少なくなっています。園長の髙橋聖一さんは、「色落ちしにくくしたことで、翌年も使えるようになったからかもしれませんね」と話してくれました。利用者の方たちは、自分が作ったものが祭りで町中を練り歩き、多くの市民や観光客に注目してもらえることを誇りに思っているそうです。自分たちの祭りだという意識を持ち、山やたい車づくりや山やたい車引きに参加する方もいるそうです。また、華やかな仕事であるため、楽しく取り組むことができているとのことでした。作業場の雰囲気を見ると、適度な緊張感の中で真剣に作業をしている様子が見受けられました。手元に目を移せば、それはまさに職人技。時間をかけて培ってきた技術であることがわかりました。友愛園が請け負っている仕事の中でも、花作りは地域と密接につながることができる数少ない仕事だそうです。「利用者と地域との結びつきを強くする、という使命感です」引き締まった表情で髙橋園長が話してくれました。花作りを通して新庄まつりに貢献することで、障がい者と地域の橋渡しをすること。そして、障がい者も地域も元気になっていただきたい。ここにも、「まつりを通して元気になってもらいたい」との心意気が受け継がれているようでした。新庄まつりの山やたい車を華やかに仕上げるために必要不可欠である花。障害福祉サービス事業所である友愛園の利用者により、その全てが作られています。そしてここにも、「まつりを通して元気になってほしい」という意気込みが感じられました。障害福祉サービス事業所 友愛園〒996-0054 山形県新庄市大字仁間字野際285番地 ℡23-4516 「働く楽しさ 遊ぶ喜び みんなが幸せになれる場所を目指して!」をモットーに、生活介護事業、就労継続支援B型事業、就労移行支援事業を行う。就労支援の一環で生産されるものは山車用の花の他にも、縫製品、木工製品、印刷物、園芸品などがある。新庄市内だけではなく、県外・首都圏との取引もある。▲完成し出荷を待つ牡丹▲作業場の様子。皆さん真剣に作業をしています▲園長の髙橋聖一さん(右)山やたい車用の花作りを通して地域とつながる長沼 篤志さん「専門の技術職として誇りをもって仕事をしています。自分にしかできない仕事です」富樫 宏子さん「桜を作ることや、あじさいを作ることには、たくさんの楽しさがあります」佐藤 明日香さん「ボンド付けなどが楽しいです。この仕事を今後も続けていきたいです」

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