2018koho11
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膨大な情報を見極め、正確な知識を得て、   精神疾患への偏見をなくすこと。 平成23年、国はこれまで4大疾病と位置付けて重点的に対策に取り組んできた、がん・脳卒中・心筋梗塞などの心臓病・糖尿病に、新たに精神疾患を加えて5大疾病とする方針を決めました。これは精神疾患対策にも国が予算と時間を投入するということを意味します。 これに伴い、インターネットを含む数々のメディアが発信する情報が増え、こころの医療に関する社会の知識は非常に深まってきています。しかし、このことはメディアがスポットをあてた以外のもの、つまりは取り上げていない出来事に関しては、逆に我々の目から見えづらくなってしまいます。過剰な情報は、人間から想像力をたやすく奪ってしまうものです。入ってきた情報は、いったん素直に信じるべきですが、その情報が正しいかどうかの検証を決して怠ってはいけないと私は考えます。たくさんの情報の中から客観的に情報を見極め、正確な知識を得ることが大切です。なんといっても、知識は力ですから。 メンタルヘルスなどの言葉に代表されるように、たしかに精神科を受診することの敷居は低くなってきました。しかし、精神疾患への偏見はまだまだ根強いと言えます。1975年にジャック・ニコルソンが主演した「カッコーの巣の上で」という素晴らしい映画がありますが、この映画で表現されていたような精神疾患への偏見は、映画の上映から40年経った今でも完全には払拭されていないと私は感じています。 おびただしい情報と、まだまだ根強く残る精神疾患への偏見。本人や家族がときに陥りがちな、薬剤やカウンセリングに対する過剰な期待。こうした偏見や誤解の中、我々が行っている精神医療、こころの医療分野は、さまざまな要素が複雑に絡み合いながら、これからもその需要は高まっていくものだと感じています。 希望と絶望。秋の天気みたいに、時折雲間から光が射し込んだり、雨が降ったり、雷鳴が轟いたり…。我々が見ようとする未来の一部分は、そんな空模様のように移ろいやすい。“希望だけ”を未来に見つけだすのは、なかなか難しい。かといって、“絶望だけ”になってしまう(陥ってしまう)のは好ましくない。絶望に沈む人を照らす一条の光はユーモアではないかしら。希望を見つけだすのが難しいながらも、絶望するには満たされ過ぎている奇妙な現代です。Q 障がい福祉サービスの利用はどんな人が?A 身体障がい・知的障がい・精神障がい・発達障がいを持つ人や、難病の人が利用できます。児童向けのサービスもあります。Q 利用するにはどうすれば良いですか?A 市役所や相談支援事業所に相談し、市役所で申請すれば利用できます。申請が完了すると、大切な情報が記載された「障がい福祉サービス受給者証」が交付されます。Q 相談支援事業所って?A 障がい福祉サービスの相談を受け、申請時のサポートを行うところです。どんなサービスを利用するのか、どんな目標を持って生活していくのか…。このようなサービス等利用計画を作成し、サービス事業所との連絡調整を担います。市の指定を受けている相談支援事業所は6カ所あります。Q 相談に料金はかかりますか?A 無料なので、お気軽にどうぞ。Q 自立した生活をしたい!でも1人暮らしには不安があります…。障がい福祉サービスを利用するには、事前に申請などの手続きが必要になります。「どこで手続きをするの?」、「利用のしかたは?」など相談支援専門員の伊藤さんに聞きました!精神科医療を取り巻く現状外来診療に携わる医師とスタッフたち市役所や市内6カ所の相談支援事業所に相談を〜新庄明和病院院長が語る〜福祉サポートセンター山形伊藤 誠司 さん10

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