2018koho11
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人ひとり大切に今後も見守っていきます。岸 ある小学校の先生が授業中に障がいの説明をしたときのエピソードですが、先生が黒板消しを本棚の一番上に置いて、生徒に「黒板消しをとってください」と言いました。けれど、生徒は届きません。そして先生はこう言いました。「届かなくて取れませんよね。でもそれはあなた方が悪いのではないのです。こうやって台を持ってくれば届きますよね。歩けなかったり、耳が聞こえにくかったり、人付き合いが苦手だったり、読み書きが苦手だったりと、何か困難を抱えていても、そのように何か周りの手助けがあればできるようになることはとても多い。そしてそれは障がいではなくなります。」子や孫がいる方はわかるでしょうが、子や孫の生まれ持ったものはみんな違う。もし困難があっても、みんなで工夫すれば障がいは障がいではなくなります。身近な大人が、子どもに「みんなの手助けがあれば、困難が困難ではなくなり、障がいが障がいではなくなるんだ」といったことを伝えていくことが大切なことだと思います。「みんな違って、みんな良い」という言葉がありますが「いろんな人がいていいし、どんな人であっても大切にしてもらえるんだ」ということを、大人が子どもに教え伝えていける地域にできればと考えています。ういえばお菓子持ってきてた」「○○君お菓子あるんだってー」と気を引くなど、楽しい見通しを与えるとすっと動きますね。特性について一緒に理解し合うわけです。そのうち対応がすごく上手になり、ますます助かります。鈴木 親よりも、祖母の迎えを喜ぶ子もいます。祖母はパンやお菓子をたくさん買ってくれるらしく、逆に親は「夕食を食べてもらえなくて困る」と文句を言っているようですが…どこの家庭でもありますよね。最後にひとこと齋藤 医療の発達や検査機会の増加により、最近は早い段階から自閉症などの診断がつくようになりました。まだ1歳半なのにと大きなショックを受ける親もいます。しかし、早いうちから関係機関とつながり、相談・対応が可能になることで、その後の親の困り感は薄くなります。早めに子の特性を知ることで安心でき、結果として子どもと上手に関わることができるようになるのではないでしょうか。困ったらすぐに相談してほしいです。鈴木 子どもが楽しく安全に過ごせることが大事で、アニマートでは常々これを考えていますが、そのためには関係機関や関係者、行政や学校、家族、地域と情報を共有していくことが重要だと思っています。大事なお子さんを、一特集みんなにやさしいまちへ。 〜“障がい”を知る〜1511

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