2018koho12
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No.09雪深い冬場の手仕事の原点昔の文化を守り続けるためにものづくりの街しんじょう佐吉爺の藁民具佐吉爺の藁民具わらかつては必需品だった藁民具 稲・小麦などの主に茎を乾燥させた藁は、昔からの民具などに用いられてきた身近な素材です。藁で作られていた「雪靴」は、雪中を歩く新庄のような地方では必要不可欠なものでした。また、冬場に需要が増す藁民具は農業閑散期の貴重な収入源でもありました。 冬場に藁民具を作るという作業は農家では当たり前のことで、佐吉爺も10才の頃には藁民具に必要な藁の縄を作る手伝いをしていたそうです。 藁民具を作る手順は、乾燥させた藁の葉などをそぎ落として芯だけにして、石などで叩いて柔らかくしてから、こよりを作るようにして縄にします。縄と藁を組み合わせて編み込むことで、藁民具は作られていきます。 その藁民具も、昭和30年代にビニール製の雨合羽や長靴が販売されるようになったことで、需文字を見やすくしましたモリサワユニバーサルフォントを使用しています。旧矢作家住宅にて藁を使ってしめ飾りを制作する佐吉爺の姿。昔の農家ではこういった光景が一般的でした。要は減っていったそうです。そうして、冬場の手仕事の原点は影を潜めていき、どこの農家も藁民具を作らなくなっていきました。 しかし、昭和58年にふるさと歴史センターが開館し、藁民具の伝統・文化を守り継いでいくために佐吉爺も制作を再開。佐吉爺が制作した民具も多く展示されています。 今では、藁で物を作る講座(しめ飾りづくり)などを開催したり、小学校に行って子どもたちに藁での物作りを教えたりしています。佐吉爺に藁での物作りを教わった人たちは、昔の文化に触れるという貴重な体験と共に、藁で物を作ることそのものを楽しんでいます。ふるさと歴史センター収蔵品 お問い合わせは、℡22-2188伊藤佐吉 氏▼ハンクツジンベ (冬用の靴)ユキナガグツ(冬用の長靴)▼フミダワラ(雪を踏みつけて道を作る道具)平成30年12月10日号(No.732) ■編集・発行/新庄市 総合政策課 〒996–8501 新庄市沖の町10–37 TEL.0233–22–2116 ■制作・印刷/共栄印刷株式会社 13,900部発行412

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