2018koho12
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特集 雪と一緒に生きていくどうして「雪の下野菜」は甘味が増すのでしょうか? 収穫された野菜も生き物。寒いところに置かれると「凍って死んでしまう!」と思い、防衛機能が働きます。自分を守るために、旨味成分の一つである「アミノ酸」を作り出します。このアミノ酸が糖の素になっているため、雪の下野菜は甘味が増すのです。雪の下は零度付近で温度が一定であり、湿度も大きく変化しません。野菜が持つ防衛機能が働くには、暑すぎず寒すぎず、ちょうど良い条件だと言えます。「雪の下野菜」の甘味を活かすためのオススメの調理方法はありますか? 雪の下野菜とそうではない野菜を、生で食べ比べてみると面白いかもしれません。「あれ?こっちの方が甘いかも!?」と実感できるのは、生で食べるのが一番だと思います。特にニンジンを比べるのはオススメですね。白菜はもともと火を通すと甘味が増す性質があるので、加熱調理をしても甘さの違いが分かりやすいと思います。 野菜ソムリエに聞いてみた! 雪の下野菜のひみつ野菜ソムリエとは?! 一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が認定する民間資格。野菜ソムリエの使命は、生産者と生活者の架け橋となること。野菜・果物の目利き、栄養、素材に合わせた調理法など毎日の食生活に欠かせない野菜・果物の幅広い知識を身につけることで、家族の健康や食に関わるさまざまな仕事に活かすことができます。野菜ソムリエ高橋 綾 さんもかかります。過去には、とある量販店から「数百トン単位で生産できないか?」との引き合いがありましたが、対応しきれないと判断し、お断りしたことがありました。雪の下野菜の需要は多いようですので、今後はいかにして生産量を増やすかが課題です。ちなみに、私のように農業に疎い者でも雪の下野菜を作ることは可能ですか? 野菜によって寝かせた方が良いとか、立てて保存した方が良いとかはありますが、正しい方法をとれば誰にでもできると思います。また、ネズミが入らないように囲うなどの対策も必要です。ネズミは白菜やキャベツが大好きですからね。今回の特集テーマは「雪と一緒に生きていく」ですが、会長が考える雪との生き方を教えてください。 除雪の手間や交通の不便さを考えれば、雪は無いにこしたことはないですね。ただ、野菜作りや米作りを考えれば、雪によって保たれている自然環境の恩恵を受けているでしょうし、納豆汁や漬物といった雪国ならではの加工品が生まれたきっかけにもなっています。そう考えれば、負の要素ばかりではない。先人たちが培った雪国文化を大切にしていきたいです。512

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