しんじょう時間 2014夏号
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-創業137年の老舗-深田菓子舗は創業137年の老舗菓子店。1877(明治10)年に駄菓子屋として開いた店を代々守り続けてきました。5代目となる深田裕一さんは「外の空気を吸ってみたかった。」と一度は他の職業に憧れて新庄を離れましたが、その後製菓学校や洋菓子店での修行を経て新庄に戻りました。「やっぱり菓子作りの血が染み込んでいたんでしょうね。」とその時の思いを語ってくれました。新庄に戻ってからは、新庄まつりの若連や青年会議所での活動を通して、「ドップリ新庄にハマった」と言います。-くじら餅の商品化-今は新庄のお土産として通年販売されている「くじら餅」ですが、これを最初に商品化したのは深田菓子舗の2代目とされています。それだけに代々伝わる製造方法にもこだわりが。「くじらというぐらいだから、おっきいくじら餅が一番。」と、桃の節句の時期には、昔ながらの特大のものも作っています。「最近は少なくなったけど、家庭でおばあちゃんが作るくじら餅も大事にしたい。」と裕一さんの妻のり子さんも話してくれました。-かむてんまんじゅうの誕生-新庄市のキャラクター「かむてん」が誕生したのが20年前。それとほぼ同時にかむてんまんじゅうの製造・販売を始め、看板商品として今でも市民に愛されています。他にも、おりひめ星として知られること座のベガが新庄の真上を毎日通過することに因んだ菓子「おり姫」を製造するなど、まちおこしのための菓子製造にも積極的に取り組んでいます。-季節の色を伝える-深田菓子舗は50年ほど前に市内で最初に生菓子(和菓子)の製造を手掛けたとされています。現在では、毎月6~8種類の生菓子を製造。「菓子を通して四季を感じてもらいたい。」と定番商品に加え、新商品も作り続けています。市内の茶会でも愛用され、店頭に立つのり子さんは、「生菓子の“菓銘”には美しい日本語がたくさん使われている。古典から引用しているものもあったりして、文学的で面白い。そういう文化を子供たちにも伝えていきたい。」と、活き活きと語ってくれました。話を聞いていると季節毎に来店してみたくなります。深田菓子舗深田裕一さん日々の暮らしの中で使うために作られた実用的な道具、それが民芸品です。私たちが住む新庄市は、手仕事のまち。雪国ならではの道具が今も尚、農家で育てられた稲を使って職人の手により作られています。素朴だけれど、美しく、心に響く。今では珍しくなった民芸品が、暮らしの中のアクセントとなり情緒豊かな新庄を感じることができます。深田菓子舗電話/0233-22-2131 営業/8:30~19:00※元旦のみ休み

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