しんじょう時間 2014夏号
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-次世代へ-現在、畑なすを作っている農家は6軒。そのすべてが高齢者。今後はこの種を守り、若い人に繋げて、もっとたくさんの人に知ってもらいたいと二人は話す。「始めはこんなに注目されっとは思わねがった。世のためになるんだったらがんばらねんね。」熱く語る繁男さんと友子さんの眼を見ていると、応援したいと思うのは私だけだろうか。-一筋縄では作れない-「畑なすは枯れやすいから、育てるのが大変なんだ。」と話す繁男さん。畑なすは栽培が難しく、一度植えると同じ畑に植えられるようになるには、3~4年掛かるという。つまりは毎年種を蒔く畑を変えなければならない。しかも同じナス科のじゃがいもやトマトも同様となれば、場所も限られてくる。-ここにしかないモノ-なぜそこまでして、畑なすを作っているのだろうか。魅力は多いと妻の友子さんは言う。「んでも、ここにしかない茄子だべ?もっと色んな人に食べで欲しいんだ。」身が締まって味が濃い畑なすは、2012年に東京で開かれた茄子の品評会で、あの“賀茂茄子”より美味しいと驚かれ、2013年も同じ評価を得た。-畑なすとは?-京野菜や加賀野菜などで知られる在来野菜だが、新庄・最上地方にも、「最上伝承野菜」として古くから守られてきた“種”がある。その一つが、300年以上前に北前船で新庄市本合海の畑(はた)地区に伝わったとされる「畑なす」。これを作り続けてきた柿崎さんご夫妻に、その思いを語っていただいた。言動を表す言葉その二最上伝承野菜畑なす農家柿崎繁男さん  友子さんあべさ    行こう      【用例】「あっつさあべさ」うるがす  水に漬ける、ふやかす     【用例】「豆うるがしておけ」おっつける  押す、押し付ける       【用例】「ほげぇおっつけんな」おべっだ  知っている       【用例】「ほんたごととっけおべっだ」かちゃばく  爪をたてる、ひっかく       【用例】「顔かちゃばかれた」かぶつく   噛みつく、かじる       【用例】「けんかすっど、すぐかぶつく」かます かきまぜる       【用例】「風呂よっくかますて入れな」くらつける 叩く、なぐる       【用例】「頭くらつける」ごがする 横車を押す、理屈にならぬ理屈を言い通すこと 【用例】「ごがする親父だ」しゃごまる かがむ、しゃがむ 【用例】「腹いたくてしゃごまった」たがく 持つ(主として大きいもの) 【用例】「桶たがってこい」ちょすます もてあそぶ、いたずらする       【用例】「こわれっさげちょすますな」とっける 取りかえる 【用例】「これととっけろ」ねまる 座る 【用例】「さあねまらっせ」のたばる はらばいになる 【用例】「のたばって本を読むな」※新庄市内でも、旧家中と町方、郷村で異なる場合もあります。(参考文献:かつろく風土記 笹喜四郎氏著)

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