20030709
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18ことが前提となります。授業やその他の活動の中で子どもたち一人ひとりが、授業の中で「できた、わかった、やれた」という学びの満足感や成就感がもてるようにすることが必要です。また、「わからない、できない」ということを安心して先生や友達に言えるとともに、学び直しや補充的な学習、繰り返し学習や試行錯誤を大切にした学習活動が必要です。そのために、各学校では少人数指導や習熟度別指導などの「個に応じた」きめ細かい指導を行っています。さらには自分の進路を考えさせながら、学ぶ意味や目的などを考えさせつつ学習習慣を身につけさせる指導を重視しています。昨年来、評価の改善も行われ、通信簿も様変わりしました。これも子どもたち一人ひとりがどこまでできて、どこでつまずいているのかを明確にし、きめ細かい指導に生かしていくために行われています。新しい教育が始まって二年目。各学校では、「ゆとり」の中で「生きる力」をはぐくむことを目指して様々な教育活動を行っています。完全学校週五日制のもとで子どもたちに基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせるとともに、豊な人間性やたくましい心と体力を身につけさせようとすることを目指した教育です。現在、各学校では「豊かな心」とともに、「確かな学力」をはぐくむことを大切にしています。「確かな学力」とは、次の三つを基本とした学力です。一つ目は、学んだ結果としての知識・理解・技能、二つ目は学べる力としての考える力や判断力・表現力・課題解決的な力、三つ目は、学ぼうとする力としての関心・意欲・態度です。課題解決的な能力や態度は、教科の他にも総合的な学習の時間などを通して育成します。「確かな学力」の育成は、子どもたちにとって「わかる授業」を行う子どもたち一人ひとりに確かな学力を身につけさせることは学校の本来的な役割です。しかし、どの子どもにも基礎的・基本的な学習内容を確実に身につけさせるためには、家庭や地域の役割も大切です。挨拶がきちんとできることや決まった時間に起きること、毎日きちんと朝食をとるなどの正しい生活習慣や生活リズムを身につけること、他への心づかいや思いやり、感謝の気持ち、協力して一つのことを粘り強くやり遂げる態度、たくましく生きるための体力づくりも求められます。こうした「確かな学力」や「豊かな心」をはぐくむことは、学校と家庭、地域が応分の役割を担って一体となりはじめて実現できることです。(宮城教育大学教授・相澤秀夫氏)関屋地区の山の神神社(公民館)の東側一帯の小字名は「乱場らんば堂どう」といい、ここからは、旧石器時代の遺物がたくさん発掘されている。この地区内に、「濫番堂らんばどう」(現在は「乱場堂」)と呼ばれる社やしろがあり、今は、山の神神社の北東、升形川沿いに小さな祠ほこらとしてあるが、ほ場整備(昭和五十六年)以前は、現在地のもう少し東側に、杉木立に囲まれてあったという。小字名の「乱場堂」は、この「濫番堂」から来たものに違いないが、それでは、この「濫番堂」(乱場堂)とは何なのだろうか。江戸時代の記録『新庄領村鑑むらかがみ』には、関屋地区には「濫番権現らんばごんげん」と「連臣明神れんじんみょうじん」があり、この両社は、朝廷から命じられて七所明神しちしょみょうじんゆかりの皇子を殺害した濫番連臣を祭った社である。連臣は皇子を殺した後、自分の罪の深さを悟り自害をしたので、村人が憐あわれんで彼を祭った、と記している。また一方、発掘調査では、元の「濫番堂」一帯は、濠ほりに囲まれ、用水を屋敷内に引き入れた中世のシリーズ教育――Part.5「学力を考える」――新しい時代への人づくり――学力向上フロンティアスクール新庄中学校(文部科学省指定)新庄中学校=生徒数380人、学級数12、教職員32人(平成15年5月1日現在)▲新庄中学校での授業(右が相澤教授)「確かな学力」をはぐくむ
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