20040114
9/16
9広報1.14 2004ニ00三年十月、ベトナムとカンボジアを訪問する機会を得ました。両国において、日本の弁護士のほか判事・検事らが参加して、民法・民事訴訟法などの基本法を含む立法作業(カンボジアではまだ民商法も法典化されていない)や司法基盤(地方には裁判所もほとんどない)を作るための支援活動を行っているので、これらを視察するとともに奮闘中の法曹界の仲間を激励するためでした。ベトナム最大の商都ホーチミンからカンボジアの首都プノンペンを数時間で結ぶアジアハイウエイを通ってカンボジアに入ったのですが、この道は、数々のゲリラ戦を経験し路傍ろぼうには無数の地雷が埋伏まいふくされたままの歴史の証人でもあります。よく日に焼けた褐色の顔に白い歯をした子どもたちが、水牛を牽ひいてこの赤茶けたデコボコ道を歩いています。ごく稀まれにニッパ椰子やしの屋根をかけた雑貨屋もどきがあるだけで、経済活動といえるほどのものは見当たりません。新庄市の先達である堤林数衛つつみばやしかずえ氏が、代用教員、刑務所看守を経て、台湾で貿易業務を習得した後、起業し東南アジア貿易で活躍したことは、「堤林数衛と南洋商会」にも紹介されています。堤林氏ほど先見の明ある経済人でも、大戦後両国の一般庶民を襲った苛烈かれつな時代までは想像できなかったかもしれません。どの国、どの時代でも、「司法(安心して生活できる秩序)」と「教育」は、忘れてはならない基盤だろうと思います。基盤なくして経済活動は育たないと思うのです。「広報しんじょう」に掲載される小中学生の写真を見るたび、新庄に生まれ育ったことに感謝しつつ、ぜひ堤林氏のように世界的視野で活躍する経済人が次々と生まれてほしいと思います。新年にあたり江戸家老の末席から皆様のご多幸をお祈り申し上げます。御家老の江戸だよりかけてくれる。」と、花との会話を楽しみながら筆を進めていきます。加藤さんの絵の特徴は、独特の淡い色調。ひまわりの花を見たままに描こうとすれば濃い黄色や緑ですが、加藤さんが描く絵は、遠目には何も描いていないかのように見えるごく淡いロマンチックな「白の世界」です。「日展に入選するような絵の仲間入りがしたいと思って努力してきましたが、ただ絵を見たり描いたりすることが、楽しくて大好きなので、絵を勉強することは全く苦になりません。10年前に描いた絵と今の絵は、色使いなどがぜんぜん違い、その頃に描けなかった絵が今は描けています。この先10年後の自分がどうなっているか、不安でもあり楽しみでもあります。日展に入選してもまだまだこれからです。今後、私らしさを探していこうと思います。」と語ってくれた加藤さんには、静かで控えめな雰囲気の中にも、日本画に対する並々ならぬ創作意欲と自分らしさを追い求める強い探究心が感じられました。「絵を描き始めたきっかけは、家業が表具屋のため、子どものころから多くの画家の先生が自宅に出入りしていたので絵がとても身近なところにあったことです。小さなころに見た日展の展覧会での絵を子どもながらにいいなと思いました。」と語る加藤さんは、あこがれだった第35回日展・日本画に初入選しました。「絵を描くのも見るのも好きで、両親がいろいろな有名な画家の展覧会によく連れて行ってくれ、常に本物を見ることができました。学生のころに美術の基礎を学んできましたが、日本画の基本がまだできていないことが不安でした。ただ、これまでどおり自分らしい絵を描けばいいと日展の審査員の先生からいわれたことで少しは安心しています。」と加藤さんは、何度か日本画を習おうとしながらも、自分らしさを見つけられずに試行錯誤しながら独学で絵を描きつづけてきたこれまでを振り返りました。加藤さんの描く絵のほとんどは花です。「花が私に語り司法と教育〜安心できる秩序の下で経済活動をするために〜いきいき新庄人加藤美和さん(大手町)日本画で日展初入選B新庄藩江戸家老松田純一さん(弁護士)▲カンボジア法律養成学校にパソコンなどの支援品を贈呈(左端が松田さん)
元のページ