20060912
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いきいき新庄人広 報9.12 2006 「仕上がりは良くできたと思うことはありますが、満足することはありません」と語る叶内さんは、14年前から陶芸を始め、中華料理店を経営するかたわら、旧沼田小学校泉ケ丘分校跡にアトリエを開き陶芸活動をしています。 「もともと焼き物には興味がありました。店の方を息子に任せられるようになったので、好きなことをしようと思い陶芸を始めました。初めの1、2年は最上町の「羽前最上焼」に通い陶芸の基本を学びました。その後も続けたいと思い、自宅にろくろなどの設備を整え、本格的に制作するようになりました。 特に土の魅力にひかれ、最上地域のいろいろなところをまわりました。現在、主に使っている土は升形で採取した壁土です。上薬を使わない『黒煙焼成』という製法を独自に開発しました。土の成分と炭素の割合により、光沢のある赤や黒、金や銀など独特の風合いをかもし出します。色の付き具合が山の景色のように見えるときもあり、焼き上がりが楽しみです。作品が出来上がるまでには、素焼きで12時間、本焼きに20時間を要し、十分に熱を冷ますには4、5日かかります。仕上げるまでには、膨大な時間と手間がかかりますが、納得できるものは多くありません。半分以上を捨ててしまうこともありますが、いい作品を作りたいという思いで作り続けています」 叶内さんは、97年の県総合美術展覧会で奨励賞を受賞。その後も、日本新工芸展などで入選し、現在までに30回以上の入選を果たしています。 「いろいろな賞を受賞したので、自信がつきました。もう少し作品がそろったら個展も開きたいです。満足できる作品が出来れば販売もしていきたいです。また、アトリエの別室に厨房も作りました。陶芸だけでなく、創作料理の研究も進めています。大手外食産業の参入などで、飲食業界は厳しい時代ですが、わたしたちの年代が頑張って、新庄ならではの料理を作っていきたいと思います。これからも、陶芸も料理も新たな作品を目指し、日々挑戦していきたいです。また、地域の人たちとのつながりを大切にして、楽しみながら地元の素材を生かしたものづくりを展開していきたいです。興味のある人は気軽に遊びに来てください」と叶内さんは、優しい眼差しで語ってくれました。陶房・厨房・遊房叶内 章二さん(円満寺町) 「山車の引くときのかけ声が本来のものと変わってしまっているのね。(中略)自分で勝手にかけ声を作っちゃう。それをおとなたちもおもしろがって、そのまま歌わせている。観光客もおもしろがる」盛岡在住の作家・高橋克彦さんの言葉です。高橋さんは、東北の祭りは観光客を意識するあまり変質し、伝統が失われているとも述べています。新庄祭りにもそっくりあてはまりませんか。 ここ数年、子どもたちが山車をひくさいに、「ちぇれんこやっさ(それ!)」という従来のかけ声の前後に例えば「てんぷらタラスコ」とか「ゴキブリほいほいほいさっさ」などと叫んでいます。極め付きは「ここで一発!」です。しかもハンドマイクで。子どもに罪はないが、これは恥ずかしい。下品である。やめさせるべきでしょう。新庄祭りのパンフレットには「日本一の山車パレード」とありますが、これもさだげない。「日本一」などという呼称は自ら 喧伝 すけんでんるものではありません。 新庄祭りの変容は「アビエス」でのパレードが始まった頃からではないでしょうか。観光客やコンテストを意識するせいか山車は大きく、油性ペイントでどぎつく、電飾過多になり、反面細部がおろそかになった。これではせっかくの人形の表情が泣くというものです。お囃子も変わった、乱れていると嘆く人もいます。伝統行事は原形を守り次世代に継承するという宿命をおびています。 新庄祭りは原点にもどる必要があります。祭りで騒いで発散し、酒飲んで終わるとあと一年忘れてしまうのではなく、シンポジウムでも開いて次に生かしてはどうでしょう。市民にも異議ありの人は少なくありません。そして自他とも「日本一だ!」といえる祭りになることを願っています。「祭りの変容」新庄藩江戸家老 松田けんじさん(作家・イラストレーター)
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