2017koho5
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――市の「今の」地域医療について医師目線ではどのように見えていますか? 一言で表現するのであれば、「可」という状態です。医療を維持していくことが難しいほど悪くはないです。しかし、現状維持で満足できるほど充実していないというのが正直なところです。ただ、医療的な課題があるので、解決しないままいけば、「可」から「悪い」に評価が変わる可能性はあります。――市の医療が抱えている課題とは何ですか? 医師が不足していることです。今後、医師は減っていくでしょうから、非常に大きな課題だと思います。若い医師を呼ぼうにも、高等教育機関がないことや、若者向けの娯楽施設が少ないので、なかなか来て貰えないでしょう。これは医療というよりもまちづくりの課題だとは思いますが…… それから、市内や郡内からの医療機関へのアクセスの悪さも課題に挙げられると思います。これもまちづくりの課題になってしまうのですが、公共交通が医療機関にスムーズに行ける状態にあれば、住民は安心感を得やすいと思います。――医師不足がこのまま続くと? 市民ニーズに応えられなくなり、学校医や夜間休日診療所が維持できなくなります。また、専門的医療が受けられなくなったり、受診したいときに医療が受けられなくなったりするでしょう。医師不足は非常に深刻な問題です。医療法人三條医院院長兼理事長新庄市最上郡医師会会長新庄市夜間休日診療所管理者三條 典男 医師プロフィール昭和32年新庄市生まれ。北里大学医学部を卒業後、県立河北病院、県立新庄病院、最上病院にて産婦人科医師を務め、平成2年に医療法人三條医院を開設した。米国にて精神科疾患の臨床を学び、解離性疾患などに関し米国やヨーロッパで多数の学会発表を行った。市夜間休日診療所4今の地域医療が   抱える課題とは?

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