主な変更点
旧制度では、年金給付に必要な費用はその時点での現役世代の保険料で賄われており(賦課方式)、支給される年金額は加入期間に応じて定額となる制度でした。(確定給付型年金)したがって、被保険者が受給権者より少なくなると財政が悪化し、給付額を一定にするために保険料の値上げをする必要がありました。しかし、新制度は将来自分がもらう年金を予め自らが積み立て(積立方式)、支給される年金額は保険料とその運用益に応じて年金額が決まる制度になっています。(確定拠出型年金)したがって、財政的にはその時々の加入者数に左右されない長期的に安定した制度です。
加入について
以下の3つの要件を全て満たす方が加入できます
- 20歳以上60歳未満であること
- 国民年金の第1号被保険者であること(ただし、保険料納付免除者でないこと)
- 年間60日以上農業に従事する者であること
保険料
農業経営の状況や老後設計に応じて、1ヶ月あたり20,000円から67,000円までの間で、1,000円単位で自由に設定が可能です。(通常保険料)
なお、一定の要件を満たしている意欲ある担い手には、保険料の一部(最高1ヶ月あたり10,000円)を国庫補助する政策支援制度があります。(特例保険料)
注意:政策支援制度の内容については、以下でご案内します。
政策支援制度の内容
次の3つの要件を全て満たし、かつ下表の「政策支援区分表」の区分1から区分5のいずれかに該当する担い手が対象になります。
- 20年要件
次の3つの期間を合算した期間が20年以上見込まれること。なお、旧制度加入者は脱退一時金又は特例脱退一時金を受給していなければ旧制度の保険料納付済期間等も合算できます。
ア:政策支援の申し出をしてから60歳までの期間
イ:政策支援の申し出をした日以前における新制度保険料納付済期間
ウ:新制度におけるカラ期間 - 所得要件
必要経費等控除後の農業所得が900万円以下であること。 - 年齢要件
旧制度の保険料納付済期間等合算して20年要件を満たす旧制度加入者の場合にあっては、昭和22年1月2日以降生まれであること。
政策支援区分表
補助対象者 | 国庫補助額 35歳未満 |
国庫補助額 35歳以上 |
---|---|---|
認定農業者でかつ青色申告者 | 10,000円 (5割補助) |
6,000円 (3割補助) |
認定就農者でかつ青色申告者 | 10,000円 (5割補助) |
6,000円 (3割補助) |
区分1または区分2の者と家族経営協定を締結し経営に参画している配偶者または後継者 注意:経営者が農業者年金に加入していなくとも可 |
10,000円 (5割補助) |
6,000円 (3割補助) |
現在、認定農業者又は青色申告者のいずれか一方を満たしているが、まだもう一方を満たしておらず、3年以内に両方を満たすことを約束した者 | 6,000円 (3割補助) |
4,000円 (2割補助) |
35歳まで(25歳未満の場合は10年以内)に区分1の者となることを約束した後継者 | 6,000円 (3割補助) |
− |
注意:政策支援を受けている期間の保険料は20,000円に固定され、増口できません。
注意:政策支援を受けられる期間は
- 35歳未満であれば要件を満たしている全ての期間
- 35歳以上であれば10年間(合計で最長20年間)
運用
年金を受給するまでの間、保険料は農業者年金基金に積み立てられます。積み立てられた保険料は、専門家が国内債権等を中心に効率的・安定的に運用し、その運用益は積立金に加算されます。
また、年に1回加入者全員に前年の運用結果が通知されますので、運用状況を定期的に把握することができます。
税制上のメリット
支払った保険料は全額社会保険料控除の対象となり、所得税・住民税の節税効果が見込めます。(民間の個人年金の場合は、控除額の上限は5万円です。)農業者年金は公的年金等控除の対象となり、65歳以上の方であれば、公的年金等の合計額が120万円までは全額非課税となります。
自留地
第三者継承の場合、自給野菜等の栽培のため10アール又は処分対象農地の3分の1のいずれか少ない面積を自留地として残すことができます。ただし、後継者継承の場合は自留地を残すことができません。
加入申込先
お近くのJAに加入申込書がありますので、JAにてお手続きください。
受給について
老齢年金の受給要件
年齢要件 原則として65歳からですが、最大60歳まで繰上げして受給することができます。その場合は、生涯に渡り繰上げした分だけ割り引かれた額で受給することになりますので、繰り上げ受給を希望される場合は、十分にご検討のうえ請求してください。
特例付加年金(政策支援を受けてきた者)の場合
- 20年要件
次の2つの期間を合算した期間が20年以上見込まれること。なお、旧制度加入者は脱退一時金又は特例脱退一時金を受給していなければ旧制度の保険料納付済期間等も合算できます。
-
- 新制度における60歳までの保険料納付済期間
- 新制度におけるカラ期間
- 年齢要件
原則として65歳に達したこと。ただし、60歳以降であれば、老齢年金と併せて繰り上げ請求することができます。 - 経営継承等の要件
農地や特定農業用施設の全てについて、後継者又は第三者に対して、権利の移転・設定を行い、農業を営む者でなくなること。
後継者継承の場合 後継者が、次の2つの要件を共に満たしていることが必要です。
- 60歳未満の直系卑属(子、孫等)又はその直系卑属の配偶者(子の配偶者、孫の配偶者等)であること。
- その後継者が通算3年間又は直近1年以上農業に従事していたこと。
第三者継承の場合 第三者が、次の3つの要件のうちいずれか1つを満たしていることが必要です。
- 60歳未満の農業経営者
- 60歳未満の新規就農者(通算3年間又は直近1年以上農業に従事していたこと)
- 農業を営む法人、農地保有合理化法人
JA等・権利移転等の要件 次の2つの要件を共に満たすような権利の移転・設定をするが必要です。
- 農地を農地として処分するものであること
- 使用収益権(使用貸借、賃貸借等)の設定期間が10年以上であること。
受給額
老齢年金の場合
- 自分がこれまで納付した保険料と、運用収益を合計した額を農林水産大臣が定める数で割った額になります。
- 詳細は独立行政法人農業者年金基金のシミュレーションサイト(外部サイトにリンクします)でご確認できます。
特例付加年金(政策支援を受けてきた者)の場合
- 国庫助成額及び自分がこれまで納付した保険料の総額に、運用収益を合計した額を農林水産大臣が定める数で割った額になります。
- 詳細は独立行政法人農業者年金基金のシミュレーションサイト(外部サイトにリンクします)でご確認できます。
支給停止
特例付加年金を受給している方が、農業を再開したり経営移譲した農地を返還されたりした場合に支給停止となる場合があります。詳細は農業委員会事務局へお問い合わせください。
支給停止の主な事例は以下のとおりです。
- 農業経営を再開した。
- 処分した農地が返還され、1年以内に適格な譲受者に再処分しなかった。
- 返還を受けた農地を農地以外の地目にした。
- 後継者が再処分した。
- 返還を受けた農地が農業委員会から遊休農地として指導を受けた。
死亡一時金
年金は生涯支給されます。
加入者や受給者が80歳前に亡くなった場合でも、死亡した翌月から80歳までに受け取れるはずであった年金から将来運用予定益を差し引いて、死亡一時金として遺族に一括して支給されます。
注意:遺族の範囲:配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(順位は記載順)で、死亡当時生計を一にしていた人
手続き先
お近くのJAに裁定請求書がありますので、JAにてお手続きください。
政策支援を受けてきた方の場合は事前に経営継承する必要がありますので、まずは農業委員会事務局へご相談ください。
現況届
老齢年金及び特例付加年金受給者は毎年5月末日頃に農業者年金基金から直接受給者に現況届が郵送されます。
郵送されしだい、住所・氏名を本人が記入し、(本人の記入が困難な場合は、配偶者、子、老人ホームの職員等の代筆でも可)6月末日まで農業委員会事務局へ必ずご提出ください。期日までに提出されない場合は、11月分の定期支払いから支給が差し止められますので、ご注意ください。
関連リンク
- 独立行政法人 農業者年金基金(外部サイトにリンクします)
このページに関する問い合わせ先
農業委員会事務局
郵便番号:996-8501 山形県新庄市沖の町10番37号
電話番号:0233-29-5839
ファクス番号:0233-22-0989
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