雪調の仕事は、積雪地方の農村の経済状態を調査し、どうしたら農家経済の振興が図れるかという研究をすることでした。これを達成するために、次の三つの部門に分かれて仕事をしていました。
主な事業として・・・
- 一般農家経済に関する調査研究と改善指導
- 副業農村工業の振興
- 雪の科学的研究
の3つに分けられます。
1.一般農家経済に関する調査研究 と改善指導
雪調では、最上地方だけではなく、隣県にまでおよんで農村の経済状況をあらゆる角度から調査・研究しました。 雪調から委嘱された早稲田大学教授の今和次郎は、住宅改善の方法を研究し、急勾配の屋根を持った雪下ろしの必要のない建物を雪調に採用し、さらに農家の建物として実験農家を雪調の敷地内に建て、実際に農業家族を住まわせています。
今和次郎デザインの庁舎(昭和12年建設)
2.雪の科学研究
山口所長は、農家が困る原因は雪 が積もるということであるとし、雪と農家経済の関係を調査するには、雪自体の研究の必要があると考え、中谷宇吉郎、黒田正夫両博士らに研究を委託しました。
この雪の研究が出発点となり、昭和14年に「日本雪氷協会」が発会し、現在の「日本雪氷学会」につながっています。積雪調査についても、昭和8年から積雪地方の1道1府21県に委嘱して調査をしています。雪調の調査・研究・指導の対象は、衣・食・住 にわたっていました。
この雪の研究が出発点となり、昭和14年に「日本雪氷協会」が発会し、現在の「日本雪氷学会」につながっています。積雪調査についても、昭和8年から積雪地方の1道1府21県に委嘱して調査をしています。雪調の調査・研究・指導の対象は、衣・食・住 にわたっていました。
雪調の全景(昭和35年ころ)
3.副業農村工業の振興
初代所長山口弘道は、雪国のように半年も雪の中で生活しなければならない人々、そして経済的に恵まれない悪条件下にある人々にとっては、民芸は格好な仕事であると考えました。
その試みとして、柳宗悦、河井寛次郎らを中心に、昭和13年、第一回の「最上郡民藝品展覧會」を開催しました。この展覧会は、その後、庄内、村山、置賜の三農学校、翌年には東北六県、さらに東京、大阪、福岡等の大都市でも開催し、効果を収めています。
その試みとして、柳宗悦、河井寛次郎らを中心に、昭和13年、第一回の「最上郡民藝品展覧會」を開催しました。この展覧会は、その後、庄内、村山、置賜の三農学校、翌年には東北六県、さらに東京、大阪、福岡等の大都市でも開催し、効果を収めています。
民芸品展覧会の審査(左から2人めが柳宗悦)
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